ISBN:4062748851 文庫 野沢 尚 講談社 2004/09/14 ¥680
今日は久々に読んだ本の話でもしようかと。
この「魔笛」は今は無き野沢尚さんの作品で母親から借りたもの。
この作品は期末試験の頃くらいから読み始めてました。
それで、昨日の試験場での待ち時間でようやく読み終わったわけです。
夏休みに入ってからはずっと家と教習所の往復だったので、
本を読んでる時間なんてほとんどなかったからね。
おかげで随分と時間をかけて読みましたね。
では感想を書いてみますかね。
まずはこの作品の特徴的な部分だと思った箇所でも。
まず、この作品は「犯人の手記」という形式で物語が進みます。
つまり、最初っから犯人が誰だか分かっているってこと。
ミステリー作品なのに最初から犯人がわかってる。
他の作品にはめったに無いことなのではないかと思うね。
まず、その時点で「大胆なことをするなぁ」とちょい感心。
次に、これまた独特な登場人物間の人間関係かな。
理解するのにはかなり時間がかかったんだけど、
1度解ってしまうと本当によく作られてると思うね。
と言うか今でも完全に理解してるとは言えない気がするね
この点に関しては、本当に絶品だと思う。
どうやったらこういう設定を思いつくことができるのか不思議だってくらいw
ネタバレしちゃうといけないのでココでは詳細は伏せるけどね。
で、最後に描写が主役となる人物の視点でないというトコかな。
なんか上手な言い方が思いつかないのでちゃんと伝わるかわからないけど。
上記のようにこの作品は「犯人の手記」という形式なので、
犯人の視点で描かれる物語なのです。
作中にしばしば「私」という一人称が出てきて、それは犯人を指してる言葉です。
しかし、それでいて「主役」は犯人を追う「刑事」なんですよ。
これがすごい独特だよなぁ、と思いました。
普通だったら、最初からその刑事の視点から犯人を捜す物語にするか、
あるいは犯人の視点から犯人を主役にした物語にすると思う。
でもこの作品は、『犯人の視点から、「犯人を追う刑事」を主人公にした』物語。
それが成立してるってのはかなりすごいことだと思うね。
やっぱり、ほとんどの作品は主人公の視点から話が展開されてるもん。
小説だけに限らず、ゲームやマンガでもそれは同じだと思う。
少なくとも自分はこんな作品は読んだことなかったね。
ただ、これは見方によっては犯人が主役とも受け取れるんだけどねー。
でも、自分はやっぱりこの作品の主役は刑事のほうだと思う。
次に実際に読んでみて思ったことでも。
まず、最初は上に書いたような諸設定の珍しさなどもあって読めました。
が、すぐにその設定の複雑さや専門用語の数々に頭を悩ませることに。
専門用語ってのは主に作中の宗教(実在はしない)に関するものと、
爆弾処理に関するものでね。作中で爆弾テロが起こるんだけど、それに関連したとこです。
普段聞かない単語がいくつもあったし、後者に関しては内容が高度すぎて・・・
読めば読むほど頭が痛くなってくる感じでキツかったね。
と言ってもその原因はまず間違いなくその辺りを読んでたのが期末試験の時期だったからだろうけどね。
しかし、一度その作品の世界観を大雑把にでも理解してからは、
一気にその世界の中へと引き込まれるような感じでした。
全体の半分を過ぎたくらいからは苦労することなく読めたね。
大まかには世界観を理解できたし何より爆弾関連の内容は読み流す事にしたからねw
1度解ってしまえばそのまま最後まで読めてしまうと思う。
また、刑事が犯人を特定して、その元へとたどり着くまでの心理描写が上手いと思った。
そこへ至るまでのトリックや手がかりなんかも面白かったけど、
それよりもやはり主人公の心境の書き方に惹かれるものがあったね。
さすが帯に「人間心理の深奥に迫る」と書かれているだけはあると思う。
で、後は終盤の犯人を捕まえる寸前のシーンがすごかった。
主人公と犯人の対峙、爆弾処理班の警察と犯人が仕掛けた爆弾を前にした葛藤、
そして主人公の獄中の妻へと迫る犯人の刺客、
この3つの場の描写が交互に書かれているのも絶品。
先へ先へと興味を持たせるのにはよく使う手法なんだとは思うけど、
本当に「先が気になる」状態へとさせてくれます。
また、1,2ページくらいで別の場へと切り替わるので、
それら3つの場が本当に同時に進行しているような気にさせてくれる。
と、自分が思ったのはこんなところかな。
他にも書きたいことは色々あるけど正直もう眠いんでw
今書いた以外にも素晴らしいシーンはたくさんあるけどね。
まぁそんなわけで間違いなくオススメの一冊です。
もし良かったら読んでみてはいかがでしょうか?
もうこの人の書く新しい作品を読むことはできないと思うとちょい残念。
では、今日はこの辺で〜。
今日は久々に読んだ本の話でもしようかと。
この「魔笛」は今は無き野沢尚さんの作品で母親から借りたもの。
この作品は期末試験の頃くらいから読み始めてました。
それで、昨日の試験場での待ち時間でようやく読み終わったわけです。
夏休みに入ってからはずっと家と教習所の往復だったので、
本を読んでる時間なんてほとんどなかったからね。
おかげで随分と時間をかけて読みましたね。
では感想を書いてみますかね。
まずはこの作品の特徴的な部分だと思った箇所でも。
まず、この作品は「犯人の手記」という形式で物語が進みます。
つまり、最初っから犯人が誰だか分かっているってこと。
ミステリー作品なのに最初から犯人がわかってる。
他の作品にはめったに無いことなのではないかと思うね。
まず、その時点で「大胆なことをするなぁ」とちょい感心。
次に、これまた独特な登場人物間の人間関係かな。
理解するのにはかなり時間がかかったんだけど、
1度解ってしまうと本当によく作られてると思うね。
この点に関しては、本当に絶品だと思う。
どうやったらこういう設定を思いつくことができるのか不思議だってくらいw
ネタバレしちゃうといけないのでココでは詳細は伏せるけどね。
で、最後に描写が主役となる人物の視点でないというトコかな。
なんか上手な言い方が思いつかないのでちゃんと伝わるかわからないけど。
上記のようにこの作品は「犯人の手記」という形式なので、
犯人の視点で描かれる物語なのです。
作中にしばしば「私」という一人称が出てきて、それは犯人を指してる言葉です。
しかし、それでいて「主役」は犯人を追う「刑事」なんですよ。
これがすごい独特だよなぁ、と思いました。
普通だったら、最初からその刑事の視点から犯人を捜す物語にするか、
あるいは犯人の視点から犯人を主役にした物語にすると思う。
でもこの作品は、『犯人の視点から、「犯人を追う刑事」を主人公にした』物語。
それが成立してるってのはかなりすごいことだと思うね。
やっぱり、ほとんどの作品は主人公の視点から話が展開されてるもん。
小説だけに限らず、ゲームやマンガでもそれは同じだと思う。
少なくとも自分はこんな作品は読んだことなかったね。
ただ、これは見方によっては犯人が主役とも受け取れるんだけどねー。
でも、自分はやっぱりこの作品の主役は刑事のほうだと思う。
次に実際に読んでみて思ったことでも。
まず、最初は上に書いたような諸設定の珍しさなどもあって読めました。
が、すぐにその設定の複雑さや専門用語の数々に頭を悩ませることに。
専門用語ってのは主に作中の宗教(実在はしない)に関するものと、
爆弾処理に関するものでね。作中で爆弾テロが起こるんだけど、それに関連したとこです。
普段聞かない単語がいくつもあったし、後者に関しては内容が高度すぎて・・・
読めば読むほど頭が痛くなってくる感じでキツかったね。
と言ってもその原因はまず間違いなくその辺りを読んでたのが期末試験の時期だったからだろうけどね。
しかし、一度その作品の世界観を大雑把にでも理解してからは、
一気にその世界の中へと引き込まれるような感じでした。
全体の半分を過ぎたくらいからは苦労することなく読めたね。
大まかには世界観を理解できたし
1度解ってしまえばそのまま最後まで読めてしまうと思う。
また、刑事が犯人を特定して、その元へとたどり着くまでの心理描写が上手いと思った。
そこへ至るまでのトリックや手がかりなんかも面白かったけど、
それよりもやはり主人公の心境の書き方に惹かれるものがあったね。
さすが帯に「人間心理の深奥に迫る」と書かれているだけはあると思う。
で、後は終盤の犯人を捕まえる寸前のシーンがすごかった。
主人公と犯人の対峙、爆弾処理班の警察と犯人が仕掛けた爆弾を前にした葛藤、
そして主人公の獄中の妻へと迫る犯人の刺客、
この3つの場の描写が交互に書かれているのも絶品。
先へ先へと興味を持たせるのにはよく使う手法なんだとは思うけど、
本当に「先が気になる」状態へとさせてくれます。
また、1,2ページくらいで別の場へと切り替わるので、
それら3つの場が本当に同時に進行しているような気にさせてくれる。
と、自分が思ったのはこんなところかな。
他にも書きたいことは色々あるけど正直もう眠いんでw
今書いた以外にも素晴らしいシーンはたくさんあるけどね。
まぁそんなわけで間違いなくオススメの一冊です。
もし良かったら読んでみてはいかがでしょうか?
もうこの人の書く新しい作品を読むことはできないと思うとちょい残念。
では、今日はこの辺で〜。
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