ISBN:4062138166 単行本(ソフトカバー) サマー 講談社 2006/12/21 ¥1,000

参考:MouRa-姉ちゃんの詩集特設ページ-
http://moura.jp/liter/neechan/

概要(amazonより)

 その物語は、「姉ちゃんの自作の詩集をみつけた」という、掲示板に書き込まれたひとつの投稿からはじまりました。お姉さんがひそかにつづり、書きためていた詩を弟が発見。"無断で"1編ずつネットの掲示板に公開していったのです。 その詩は、思春期の女の子らしい奔放さで読む人をどきっとさせながら、たとえば描かれる家族、ときには青春の情景のあたたかさが人の心に癒しと笑いをもらたすという、今まで誰も見たことがない魅力に満ち溢れていました。お姉さんの詩を支持する人の輪は瞬く間に広がり、ネットワークの世界最大級の事件となりました。

 そんな、短期間でとても多くの人を癒した作品群に未公開作、本人の書き下ろしエッセイ、彼女を見守る母による寄稿他を加えて、緊急出版でお届けします。 自然で、ときにシュールで、優しくて、新鮮な旋律に、癒されてください。


バイトの休憩中や家で微妙に暇になった時間とかに少しづつ読み進め、
本日ついに読み終わりました!!

ですがとりあえずね、外で読んだらダメですねこの詩集。
一度ネット上で読んでたにも関わらず何度も爆笑しそうになってました。
傍から見たら間違いなく危ない人だったと思います。

そんなどうでもいい前置きはさて置き、やっぱりサマーの詩集は素晴らしい。
時には死ぬほど笑い転げ、時にはちょっと切なくなり、時に「あぁ〜、これ分かる!」と頷き、時に驚き、時には心暖まる。
それぞれの詩から感じられる気持ちが全然違うのです。
その当時のサマーが、その時々に思ったことをそのままに綴っているからこそ、
きっとそのような感じがするのでしょうね。
そんな、良くも悪くもカオスな感じが、非常に面白いのだと思います。

「出前ピッザチョチョリーナ」にはタイトルだけで窒息死しそうなほど爆笑したし、
「走る」や「空想FAX」「さみしい」のようなちょっと切ない恋心を表現したものもあり、
それなのに「ヨーデル」みたいな無駄に?ハイテンションなのがあったり、
「ナースのお仕事」や「トゥエルブ」に納得してみたり、
「自慢なこと」や「孤独」、「かかとが取れたら」などには、
『この考え方はなかったなぁ』と驚き、、、etc.
と、これはほんのごく一部なんだけど、色んな感情を与えてくれます。

そんな1つ1つが物凄い個性的な詩の集まりなんだけど、
全体を通しても感じられることがあるってのがさらにすごい。
まず思ったのは、「この家族は本当に良い家庭なんだな」ってこと。
「お母さん」や「私はロッテ」「超人」「第1回つきぎめほうそう」
などからはサマーが家族思いなのはよく伝わってくるし、
それでいて「しましま」や「弟」みたいな純粋な負の感情もあったり。
これだけ数多くある詩の中には、彼女の家族に書かれたものも多いのです。

また、この家族の暖かさは母ロッテのあとがきにもよく出てると思いました。
話を聞いて驚くよりも前にまず往復ビンタ
なかなかすごい母さんだと思いますよ?
あとがきで母ロッテは姉サマーと弟ルイーゼについても語ってるけど、
普段からよく見てるんだろうな〜、ってのがよく分かります。
親なんだしそれが当たり前だろ!と思うかも知れないけど、
果たしてそれを本当にきちんと出来てる親が今の世の中どれほどいるのだろうか?
そんなことも余談になるけどちょっと考えました。

それと、「子どもらしい残酷さ」が表われている詩が数多くあるような気がします。
一見それくらいの歳(小中学生)が書いたものとは思えないほど、
『死』という文字が随所に見られるんですね。
「フラワー」だったり「おとなしい子」「このまえ」などなど。
でもそれって改めて考えると納得がいくんですよね。
それくらいの歳の子どもって、まだ『死』というものの重みが
あまりよく分かってはいない年頃だと思うし。
今思えば自分もそのくらいのころってよく使ってたような気がするし。
そうそう、残酷さの極みと言えばやはり「藤井」でしょうね。
何もそこまで露骨に嫌がらなくても・・・って感じです。
が、まぁ本来はサマー自身しか読むハズのものでなかったと考えれば無理もないか。
そう考えると、この詩集が出版されたことによる1番の犠牲者(被害者?)は
 間 違 い な く 藤 井 だ と 思 う 。

他にも色々とこの詩集について語りたいのは山々なんだけど、
時間も時間だし、収集つかなくなりそうなのでこの辺でストップです。
ほっといたら収録されてる詩全部にコメントとかやりかねない
とりあえず「なみだがあったかくてうれしいです」はガチで名言だと思う。
まぁ他にも名言多すぎて選びきれないんだけどね。
心暖まるという名言意味ではこの言葉が1番だと思う。




んでだ。この記事ではずっと伏せてたけど、
この本ってある意味では2ちゃんねる発の本なんだよね。
まぁ買ったときの記事にあんなにカジ速がどーとか書いてちゃ、
伏せてた意味があるのかどうかは果てしなく疑問だけど

ただ、もしまだこの本について知らない人がいたとしても、
2ちゃんねる発だからという偏見は持たないで読んでもらいたいです。
この本の場合過去の2ちゃん発の本(電車男なんかがいい例)とは明らかに別物です。
この詩集の場合は2ch(VIP)は、
世に広まるきっかけを作る媒体となったに過ぎないのだから。
たまたま弟ルイーゼが投稿した掲示板が2chであり、
これらの詩はサマーの綴った詩以外の何者でもないのだから。
まぁここまで火がついたのは2chだったからだとも思うけどね。



そういうわけでこの「姉ちゃんの詩集」ですが、
本っ当に面白いのでぜひ手にとって読んでみてもらいたいのです。
こんなただ長いだけで文才のない感想ではきっとこの面白さは伝わらないでしょうが。

詩だけならまとめサイト[http://neetyannno.info/]でも見れますが、
ぜひ本としても読んでもらいたいですね。
そんな金ねーよって人もぜひまとめサイトだけは・・・
本にはこの詩集が出版されるまでの紆余曲折や、
彼女にとって詩がどういうものなのか、
などについてのサマーのエッセイなんかも書かれています。
きっとまとめサイト見たらあなたも本を買いたくなることでしょう・・・

という事で、無駄に長い「姉ちゃんの詩集」レビューをお届けしました!!
みんな買わないとフツーにだめー


ぁ、最後に一言だけ言わせてくれ。

フレグランス・ド・フラワーで検索してココに飛んでくる人多すぎ(笑

コメント

nophoto
綿 従子
2016年3月19日10:17

ラジオで偶然聞いてとても読みたくなりすぐ書店に問い合わせましたが、絶版でした残念です。

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