祝 ★ オリコン初登場10位!
ということでボカロCDレビュー3枚目はこのVocalostar。
EXIT TUNESのボーカロイド・コンピレーションアルバム第2弾。
ということで早速いきましょう。世間の話題は完全にめぐっぽいどに移ってるっぽいですが気にしない。
1. 炉心融解(iroha)
2. サイハテ(小林オニキス)
3. RIP=RELEASE(minato)
4. 卑怯戦隊うろたんだー(シンP)
5. ココロ(トラボルタ)
6. カンタレラ(黒うさ)
7. ぽっぴっぽー(ラマーズP)
8. 私の時間(くちばし)
9. 桜の季節(ゆうゆ)
10. トルコ行進曲-オワタ\(^o^)/(オワタP)
11. 夢みることり(はやや)
12. サンドリヨン(Cendrillon) (シグナルP)
13. 雲の遺跡 (ver.len) (yanagi)
14. もっと 伸びろ ぼくの 動画 (卑屈P)
15. Happy fruit!(azuma)
16. サウンド(baker)
17. from Y to Y (ジミーサムP)
視聴も出来る公式サイトはコチラ。
【http://vocalostar.com/index3.html】
初音ミクwiki "Vocalostar"はコチラ
【http://www5.atwiki.jp/hmiku/pages/4979.html】
●参考●
オリコン週間ランキング:初登場10位
デイリーランキング動向:初登場7位→8位→8位→10位→11位→12位→20位
それは、色褪せることのない音のセカイ
17曲という圧倒的な収録曲数、そして今回はその全てが違う作者によるもの。
そこにある様々な方向の楽曲たち。更にはジャケットイラストやケースなども。
まさに、「豪華絢爛」と言うにふさわしい1枚に仕上がっています。
では今回も全曲、紹介しちゃいます♪が、既に旬は過ぎつつあるっぽいので簡潔に。
ニコニコ版との比較や紹介(と言う名の懐古)が多いです。
なお、過去2枚のCD(Prismとunformed)はボカロ知らない人にも読めるよう意識しましたが、
このCDに関してはボカロ曲についてある程度理解がある前提で書いてますので悪しからず。
と言うかそうじゃなきゃ書ける気がしなかったんだ。。。
○全曲簡易感想○
1.炉心融解
今ではボーカロイドの代名詞と言っても良い知名度になりました。
この曲に関してはニコニコ動画等で聴けるものとそれほど差はないように感じました。
それだけ投稿当時から完成されていたのだと思います。
2.サイハテ
最初に投稿されたのは昨年の1月。それからかなり日が過ぎた今でも愛されている1曲。
それだけに一般流通CDの収録を望んでいた声も多かったことでしょう。
まさに待望の収録と言えるのではないかと思います。
ニコニコのそれよりも1つ1つの音がきれいになった印象があります。
3.RIP=RELEASE
巡音ルカの曲としては唯一の参戦。
歌入りのMP3が配布されていなかっただけに嬉しかったです。
これも炉心同様、動画版から大きな変化はないように思えます。
とても巡音ルカ発売直後に発表された曲とは思えない完成度です。
4.卑怯戦隊うろたんだー
この面子で収録されるなんて卑怯だ!
しかも音質がかなり良くなってるなんて卑怯だ!
特にバックコーラスのミク&MEIKOがかなり聴き取りやすくなってます。
最近ボカランのTOP30に姿を見れなくて寂しいですw
全てを「卑怯」の2文字で片付けてしまう恐ろしい曲。
5.ココロ
やっぱりココロを歌うのは鏡音リンに限る。この曲も長く愛されてますね。
細かい部分で良くなってる気はするけど、基本的にはニコニコのそれと変わらないと思う。
まぁ、元々のクオリティが既に十二分だったので何も問題はありません。
今では物凄い数あるボカロオリジナル曲ですが「ココロ」はその中でも屈指の名曲。
6.カンタレラ
ニコニコの方はあまり聴きこんでないので厳密な比較は出来ないのだけど・・・
KAITOとミク、どちらの声も聴きやすくなってる気がする。
特にサビの2人の声が重なる部分のミクの声はかなり良くなってるかと。
7.ぽっぴっぽー
この曲がCDになる日が来ようとは。まさかのぽっぴっぽーww
編曲がこのCDオリジナルで、1番が日本語・2番が英語の歌詞になっています。
それにしてもミクであのレベルの英語発音はお見事。
8.私の時間
今回の収録曲の中でもっともアレンジが加わっているのはコレでしょう。
ニコニコ版とはほとんど別物と言えるでしょう。と言うか一部音符が変わってます。
何箇所か、フレーズの終わりを早口にしています。スタッカートを利かせてる感じですかね。
後は間奏後のCメロの部分が半音くらい?下がってますかね?
これらの変更には賛否両論ありそうですが、個人的にはこれはこれでありかと。
全体的な音質・調声技術もかなり上がってると思う。
9.桜の季節
ベースとなっているのはニコニコ動画の原版ではなく、
昨年4月に作者様のHPで公開された通称?「RE版」のほうです。
原版よりも1オクターブくらい低音で、やや舌足らずな声になってますw
たぶんジェンダーファクターを下げたのだと思うけど・・・
メロディは明るいけどテーマは「死別」
製作者であるゆうゆ氏の持つ「さくら」のイメージがよく表現されています。
自分がトップクラスに好きな初期の名曲の1つ。
ボカロを知らない人にも自信を持って紹介できますねこれは。
10.トルコ行進曲-オワタ\(^o^)/
ま さ か の オ ワ タ \ ( ^ o ^ ) /
確かな調声技術とシュールでリアルな歌詞に裏付けられる至高のネタ曲。
この歌詞のような出来事を経験したことがある人は絶対いるはず。
原曲である「トルコ行進曲」のメロディに合わせて綴られる切ない歌は、
まさにオワタ\(^o^)/と言いたくなる出来w
11.夢みることり
「ボーカロイド同士によるデュエット」と言う使い方を一気に広めた1曲だと思う。
ミクとリン、それぞれのパートが綿密に作られており、掛け合いの部分が良い。
しかし何よりサビがとにかくすごい。重なる部分と離れる部分の流れが絶妙。
上手く説明できない自分が悔しい。もっと語彙力があればなぁ・・・
とにかく、デュエットの心地よさという点においてはこの曲が個人的には最強。
12.サンドリヨン
カンタレラと同じミク&KAITOなこの曲。
パートによってKAITOメインな部分とミクメインな部分があるのは、カンタレラにはない特徴。
元のニコニコ版よりも、KAITOのバックコーラスが良くなった印象。
とは言え、この曲はそこまで回数聴いてないのでやや記憶は曖昧なんだけど・・・
正直サンドリヨンよりTransmitの方が自分的にはヒットだったからなぁ。
13.雲の遺跡
この曲はメインボーカルがミクのバージョンとレンのバージョンがあるのですが、
本CDにはレンバージョンを収録。原曲よりもだいぶ滑舌良くなってるかな?
というかAct2で歌わせ直したんじゃね?と思わせるほどのレベルアップだと思うんだけど。
バックコーラスのMEIKOが優秀すぎるのもこの曲の大きな特徴。
な、はずなのにパッケージにもブックレットにもこの曲にMEIKOの表記はなし。
この曲はMEIKOのコーラスがあって初めて成立するものなのになぁ。。。
14.もっと 伸びろ ぼくの 動画
卑屈Pによる動画作者の嘆きをミクに歌ってもらった曲。
今だとむしろ「アナロ熊の人」の方が通じちゃうのかな?
動画作成者、あるいはニコニコ動画視聴のヘビーユーザーなら共感できる部分も多そう。
ニコニコの元曲はそれほど聞き込んでないですが、それほど音質的な変化はないと思う。
15.Happy fruit!
恐らくこの曲はこのCDのために新規に作られたもの。
azuma氏の代表作「あなたの歌姫」はガチ曲なんですが、
この人の本業はむしろコレのようなネタ曲なんだとか。
CDに収録する曲の製作依頼を受け、この曲を持ってくるのはさすが生粋のネタ師。
とは言えその技術は確かなもの。歌詞の聞き取りやすさや声質に関しては屈指の完成度。
聴き手がどんな解釈をするかは自由だけど、
作った人が「フルーツの食べ方の歌」だと言うのならそれはフルーツの歌です。
このアルバムにこの曲とはおいおいって感じですが、
デPベストが一般流通で出回る世の中なら何ら問題はないでしょう。
16.サウンド
これもまた初期の名曲。ボカロ初心者にはぜひとも抑えてほしい1曲。
この曲(と言うよりは作者であるbaker氏)の持つ独特な世界観と、
彼によるミクの柔らかい雰囲気を持つ歌声はたぶん真似できる人はいないと思う。
と、これだけだと単にbaker氏を絶賛してるだけになってしまうのですが、
本当にこうとしか言えない自分もいる。やっぱり語彙力が足りない。
まぁとにかくすごく好きな1曲ですよってことです。
17.from Y to Y
最期を飾るのにふさわしい壮大な、しかしそれでいて身近さを感じさせてくれる曲。
ジミーサムPの曲は正直聞き流すだけになることがほとんどでした。
良い意味でも悪い意味でも、耳に残らない曲が多かった。
ただ、これはちょっと存在感があったね。
おそらくそれは作者自身の経験からこの曲の歌詞が作られたからではないかと思う。
「実体験をボーカロイドに歌わせる」ことはできても、
それをメロディに乗せて感情を窺わせるように歌わせるのは難しいことかと。
それが出来ているこの曲はやはり確かな調声技術の証拠となっていると思う。
●収録曲に関して●
各々の楽曲のレベル・音質はいいんだけど、アルバムとしての完成度は微妙。
これが聴いてみて思った正直な感想です。
買う前から予感はしてたけど「とりあえず人気曲を詰め込んでみました」感が拭えない。
そういうアルバムだと言われればまぁそれまでなんだけど。
そんなことを感じた具体的な理由は以下の4つ。
1.流れを切るネタ曲
個人的な好みの問題になるけど、こういう類のアルバムにはネタ曲は不要。
だったらネタ曲だけ集めて1枚のアルバムにして欲しかった。
ハッキリ言ってネタ曲で聴いている流れがぶった切られてしまう感じがした。
「サイハテ→RIP=RELEASE」と切ない曲が続いていたと思ったら途端に「うろたんだー」とか、
「ココロ→カンタレラ」の次に「ぽっぽっぽー」とか。
最も許せなかったのは「桜の季節」の切ない余韻に浸ってたらいきなり「トルコ行進曲オワタ」
幻想的な余韻も何もなく一気に現実に引き戻される「♪朝起きた、寝坊した~」
こんな感じにところどころにあるネタ曲のせいで流れが切れる感じは否めなかった。
なお、「ネタ曲」の定義に関しては個人差があるとは思うが、
あくまで個人的な定義に則っての考え方なので悪しからず。
うろたんに関してはネタ曲とすべきかどうか迷うところではあったが、
ネタ的な側面も強いのでここでは例として挙げさせてもらった。
2.不明瞭なコンセプト
1つ目のネタ曲についてとも多少関連があるけど、
どうしてもアルバム"Vocalostar"の世界が見出せなった。
「1枚のアルバムとして」という観点なら前作Vocarhythmの方が遥かに上だと思う。
と言うことでちょっと前作Vocarhythmと比較してみたいと思う。
なお、Vocarhythmに関してはこの日記でも前に語っているので併せて参考までに
【http://34643.diarynote.jp/200903160135145794/】
Vocarhythmには「初期の名曲を中心に収録」という具体的なコンセプトがあったように思う。
モノクロアクトは例外だけど、他の曲はみんなミク発売直後~2008年前半の曲ばかり。
また、Vocarhythmにはいわゆる純度完全なネタ曲はなかったように思える。
歌詞に多少小ネタが挟まっている程度のものはあったけどね。
最初期からミクを聴いている人にしか理解できないかも知れないが、ちょっと考えてみて欲しい。
仮に「この想い伝えたくて」の歌詞がまとも版ではなくて通常版だったとしたら。
デPの枠が「永遠に続く五線譜」ではなくて「私は人間じゃないから」だったとしたら。
「初音ミクの消失」が「魔法少女ラジカルペイント」だったとしたら。
「夕日坂」じゃなくて「通勤快速」だったとしたら。
上記の「もしも」がどれか1つでも成り立っていたとしたら、
その時点でVocarhythmというアルバムは破綻していたと思う。
別に上記のどの曲そのものを否定するつもりはない(デPの曲などは人を選ぶとは思う)が、
アルバムのコンセプトに沿っているかどうかには疑問が残る場合もある。
その点、Vocarhythmは「こだわり」がハッキリしていたからこそ、
しっかり評価されたアルバムになっていたんだと思う。
それに対しVocalostarの収録曲の投稿日を見てみると・・・
初期の曲なら「私の時間」や「桜の季節」「サウンド」などが2007年に投稿されたもの。
一方最新のものは「RIP=RELEASE」と「from Y to Y」が今年に入ってからの曲である。
別に収録曲の投稿日時のみで判断するものではないと思うが、
他の部分でもそういった「こだわり」がこのVocalostarには感じられなかったのが残念。
ちなみにVocalostar以上にこだわりなく作られた残念なアルバムが同じEXIT TUNESの"Stardom"である。
3.収録されるアルバムを間違えている曲たち
「アルバムのコンセプト」の話をしたついでにもう1つ。
これまた好みの問題になってしまうのは事実だがこのアルバム、
入るアルバムが微妙にズレてる曲がいくつかある気がする。
ハッキリ言おう。「私の時間」と「もっと 伸びろ ぼくの 動画」である。
この2曲はどう考えても来月発売の「ニコニコ動画せれくちょん」向きだと思うんだ。
歌詞に思いっきり「ニコニコ動画」と入ってる「私の時間」
動画作成をネタに歌詞を作ってる「もっと 伸びろ ぼくの 動画」。
どちらも歌詞の着想点、始まりが「ニコニコ動画」なんだから、
ニコニコ動画をコンセプトにしているあのアルバムに入るほうが妥当ではないかと。
もっと言えば「ぽっぴっぽー」や「トルコ行進曲」も個人的にはあっちでいいと思う。
更に言えば「卑怯戦隊うろたんだー」もそうあるべきなのだが、
うろたんはあちらにも収録される模様なのでよし。むしろGJ。
というか近い時期に出る2枚ものアルバムに収録なんて卑怯だ!w
そして代わりに「ハト」をよこせと言いたい(笑)
あのアルバムにハトは正直どうかと思うんだ。
4.MEIKOオリジナル曲の不在
"feat.初音ミク" と銘打っている以上ミクが中心になるのは仕方ないとは思う。
しかし、「ミク以外のボーカロイドの曲も収録」を謳い文句にしているのなら、
MEIKOがメインボーカルの曲も1曲くらい欲しかった。
ミク以外がメインボーカルの曲を見ると、
リンが「炉心融解」と「ココロ」、レンが「雲の遺跡」
ルカが「RIP=RELEASE」、KAITOが「卑怯戦隊うろたんだー」と「カンタレラ」
だと思って良いだろう。(サンドリヨンは迷うところだがミク・KAITOの半々と判断)
そう、MEIKOさんがいないのである。
このCDでのMEIKOの出番はうろたんと雲の遺跡のバックコーラスだけなのである。
しかも名前が載っているのはうろたんだーのみという仕打ち。これはいただけない。
このCDのバランスを見ると、個人的な好みもあるが・・・
O-9の「忘却心中」や、シンPの「それが僕らのJustice」などはどうだろうか?
まぁ、ボカロ好きなら誰でも知っているようなMEIKOオリジナル曲となると数は限られるが・・・
なんとか1曲くらいは収録して欲しかったものである。
これらの点から既存のボーカロイドアルバムと比べても、
アルバムとしての「まとまり」を考えるとちょっと劣るような気がしてしまうのです。
大事なことなので改めて書いておくけど、各曲の出来に関しては良かったと思ってます。
上記4つの理由の中で挙げた曲そのものが良くないと言う気はまったくないので、
そこは勘違いしないでもらいたい。
○ジャケット&ブックレットに関して○
イラスト担当は、supercellの「恋は戦争」でもお馴染みのプロの漫画家三輪士郎氏。
恋は戦争の時に相当怒られたとあったが本業の仕事しなくて大丈夫なんだろうか?
イラストについては今回のアルバムのイメージとも合うし良かったと思う。
そして本題はブックレット。
今作には歌詞やニコニコ動画のサムネイルの他、
各曲のページに作者の簡単な自己紹介と曲の紹介が掲載されている。
この欄の気合の入り方は各作者によってまちまちなのだが、
それぞれの曲の作者の人となりや
曲がどんなものか、どんな気持ちで作ったかなどが書かれている。
これについてはこのアルバムでもっとも評価すべきところだとも言える。
ボーカロイドのコンピレーションアルバムであることの強さが見えるブックレットと言える。
これについてはすごく良いと思うので、素直に賛辞を送りたい。
余談1
「トルコ行進曲-オワタ\(^o^)/」の作曲者の名前にその通りなんだけど吹いた。
余談2
bakerさんが超地元民なんですがw
ニコニコ動画のcelluloidの映像から地域を割り出していた人がいて、
「意外と近いかも」なんて思ってたら予想以上に近そうだ。
ひょっとしたら街で普通にすれ違ってもおかしくないレベルっぽいんですがw
○まとめ○
17曲という圧倒的な収録曲数。多くは知名度の高いボカロオリジナル曲。
これだけでも十分評価には値します。
最新のものから初期の名作まで主要なものが一通り揃っているので、
前作同様ボーカロイド曲の入り口としてはふさわしい1枚ではないでしょうか。
そしてブックレットの曲紹介等、コアなユーザーへのサービス要素もあり。
音質の良くなっているものも多々あり、MP3は持っている人にも勧められる要素も十分。
自分のように「アルバムとしてのまとまり」を重視しなければ満足できる一品です。
個人的には収録曲のコンセプトや曲順には不満もありますが、
もちろん楽しく聴けるアルバムであるということは変わりません。
●オマケ カラオケで歌える曲●
4.卑怯戦隊うろたんだー
5.ココロ
6.カンタレラ
8.私の時間
10.トルコ行進曲-オワタ\(^o^)/
11.夢みることり
の6曲は全国のJOYSOUNDで絶賛配信中!
特にトルコ行進曲はボカロ知らない人に対しても笑いが取れると好評らしい。
自分もカラオケに行く機会があれば相手を見て歌ってみようかと画策中ですw
(ただしカラオケでの選曲は自己責任で。滑ったり白けたりしても責任は持てませんので悪しからず)
ということでボカロCDレビュー3枚目はこのVocalostar。
EXIT TUNESのボーカロイド・コンピレーションアルバム第2弾。
ということで早速いきましょう。
●収録曲(製作者名)●
1. 炉心融解(iroha)
2. サイハテ(小林オニキス)
3. RIP=RELEASE(minato)
4. 卑怯戦隊うろたんだー(シンP)
5. ココロ(トラボルタ)
6. カンタレラ(黒うさ)
7. ぽっぴっぽー(ラマーズP)
8. 私の時間(くちばし)
9. 桜の季節(ゆうゆ)
10. トルコ行進曲-オワタ\(^o^)/(オワタP)
11. 夢みることり(はやや)
12. サンドリヨン(Cendrillon) (シグナルP)
13. 雲の遺跡 (ver.len) (yanagi)
14. もっと 伸びろ ぼくの 動画 (卑屈P)
15. Happy fruit!(azuma)
16. サウンド(baker)
17. from Y to Y (ジミーサムP)
視聴も出来る公式サイトはコチラ。
【http://vocalostar.com/index3.html】
初音ミクwiki "Vocalostar"はコチラ
【http://www5.atwiki.jp/hmiku/pages/4979.html】
●参考●
オリコン週間ランキング:初登場10位
デイリーランキング動向:初登場7位→8位→8位→10位→11位→12位→20位
それは、色褪せることのない音のセカイ
17曲という圧倒的な収録曲数、そして今回はその全てが違う作者によるもの。
そこにある様々な方向の楽曲たち。更にはジャケットイラストやケースなども。
まさに、「豪華絢爛」と言うにふさわしい1枚に仕上がっています。
では今回も全曲、紹介しちゃいます♪が、既に旬は過ぎつつあるっぽいので簡潔に。
ニコニコ版との比較や紹介(と言う名の懐古)が多いです。
なお、過去2枚のCD(Prismとunformed)はボカロ知らない人にも読めるよう意識しましたが、
このCDに関してはボカロ曲についてある程度理解がある前提で書いてますので悪しからず。
と言うかそうじゃなきゃ書ける気がしなかったんだ。。。
○全曲簡易感想○
1.炉心融解
今ではボーカロイドの代名詞と言っても良い知名度になりました。
この曲に関してはニコニコ動画等で聴けるものとそれほど差はないように感じました。
それだけ投稿当時から完成されていたのだと思います。
2.サイハテ
最初に投稿されたのは昨年の1月。それからかなり日が過ぎた今でも愛されている1曲。
それだけに一般流通CDの収録を望んでいた声も多かったことでしょう。
まさに待望の収録と言えるのではないかと思います。
ニコニコのそれよりも1つ1つの音がきれいになった印象があります。
3.RIP=RELEASE
巡音ルカの曲としては唯一の参戦。
歌入りのMP3が配布されていなかっただけに嬉しかったです。
これも炉心同様、動画版から大きな変化はないように思えます。
とても巡音ルカ発売直後に発表された曲とは思えない完成度です。
4.卑怯戦隊うろたんだー
この面子で収録されるなんて卑怯だ!
しかも音質がかなり良くなってるなんて卑怯だ!
特にバックコーラスのミク&MEIKOがかなり聴き取りやすくなってます。
最近ボカランのTOP30に姿を見れなくて寂しいですw
全てを「卑怯」の2文字で片付けてしまう恐ろしい曲。
5.ココロ
やっぱりココロを歌うのは鏡音リンに限る。この曲も長く愛されてますね。
細かい部分で良くなってる気はするけど、基本的にはニコニコのそれと変わらないと思う。
まぁ、元々のクオリティが既に十二分だったので何も問題はありません。
今では物凄い数あるボカロオリジナル曲ですが「ココロ」はその中でも屈指の名曲。
6.カンタレラ
ニコニコの方はあまり聴きこんでないので厳密な比較は出来ないのだけど・・・
KAITOとミク、どちらの声も聴きやすくなってる気がする。
特にサビの2人の声が重なる部分のミクの声はかなり良くなってるかと。
7.ぽっぴっぽー
この曲がCDになる日が来ようとは。まさかのぽっぴっぽーww
編曲がこのCDオリジナルで、1番が日本語・2番が英語の歌詞になっています。
それにしてもミクであのレベルの英語発音はお見事。
8.私の時間
今回の収録曲の中でもっともアレンジが加わっているのはコレでしょう。
ニコニコ版とはほとんど別物と言えるでしょう。と言うか一部音符が変わってます。
何箇所か、フレーズの終わりを早口にしています。スタッカートを利かせてる感じですかね。
後は間奏後のCメロの部分が半音くらい?下がってますかね?
これらの変更には賛否両論ありそうですが、個人的にはこれはこれでありかと。
全体的な音質・調声技術もかなり上がってると思う。
9.桜の季節
ベースとなっているのはニコニコ動画の原版ではなく、
昨年4月に作者様のHPで公開された通称?「RE版」のほうです。
原版よりも1オクターブくらい低音で、やや舌足らずな声になってますw
たぶんジェンダーファクターを下げたのだと思うけど・・・
メロディは明るいけどテーマは「死別」
製作者であるゆうゆ氏の持つ「さくら」のイメージがよく表現されています。
自分がトップクラスに好きな初期の名曲の1つ。
ボカロを知らない人にも自信を持って紹介できますねこれは。
10.トルコ行進曲-オワタ\(^o^)/
ま さ か の オ ワ タ \ ( ^ o ^ ) /
確かな調声技術とシュールでリアルな歌詞に裏付けられる至高のネタ曲。
この歌詞のような出来事を経験したことがある人は絶対いるはず。
原曲である「トルコ行進曲」のメロディに合わせて綴られる切ない歌は、
まさにオワタ\(^o^)/と言いたくなる出来w
11.夢みることり
「ボーカロイド同士によるデュエット」と言う使い方を一気に広めた1曲だと思う。
ミクとリン、それぞれのパートが綿密に作られており、掛け合いの部分が良い。
しかし何よりサビがとにかくすごい。重なる部分と離れる部分の流れが絶妙。
上手く説明できない自分が悔しい。もっと語彙力があればなぁ・・・
とにかく、デュエットの心地よさという点においてはこの曲が個人的には最強。
12.サンドリヨン
カンタレラと同じミク&KAITOなこの曲。
パートによってKAITOメインな部分とミクメインな部分があるのは、カンタレラにはない特徴。
元のニコニコ版よりも、KAITOのバックコーラスが良くなった印象。
とは言え、この曲はそこまで回数聴いてないのでやや記憶は曖昧なんだけど・・・
正直サンドリヨンよりTransmitの方が自分的にはヒットだったからなぁ。
13.雲の遺跡
この曲はメインボーカルがミクのバージョンとレンのバージョンがあるのですが、
本CDにはレンバージョンを収録。原曲よりもだいぶ滑舌良くなってるかな?
というかAct2で歌わせ直したんじゃね?と思わせるほどのレベルアップだと思うんだけど。
バックコーラスのMEIKOが優秀すぎるのもこの曲の大きな特徴。
な、はずなのにパッケージにもブックレットにもこの曲にMEIKOの表記はなし。
この曲はMEIKOのコーラスがあって初めて成立するものなのになぁ。。。
14.もっと 伸びろ ぼくの 動画
卑屈Pによる動画作者の嘆きをミクに歌ってもらった曲。
今だとむしろ「アナロ熊の人」の方が通じちゃうのかな?
動画作成者、あるいはニコニコ動画視聴のヘビーユーザーなら共感できる部分も多そう。
ニコニコの元曲はそれほど聞き込んでないですが、それほど音質的な変化はないと思う。
15.Happy fruit!
恐らくこの曲はこのCDのために新規に作られたもの。
azuma氏の代表作「あなたの歌姫」はガチ曲なんですが、
この人の本業はむしろコレのようなネタ曲なんだとか。
CDに収録する曲の製作依頼を受け、この曲を持ってくるのはさすが生粋のネタ師。
とは言えその技術は確かなもの。歌詞の聞き取りやすさや声質に関しては屈指の完成度。
聴き手がどんな解釈をするかは自由だけど、
作った人が「フルーツの食べ方の歌」だと言うのならそれはフルーツの歌です。
このアルバムにこの曲とはおいおいって感じですが、
デPベストが一般流通で出回る世の中なら何ら問題はないでしょう。
16.サウンド
これもまた初期の名曲。ボカロ初心者にはぜひとも抑えてほしい1曲。
この曲(と言うよりは作者であるbaker氏)の持つ独特な世界観と、
彼によるミクの柔らかい雰囲気を持つ歌声はたぶん真似できる人はいないと思う。
と、これだけだと単にbaker氏を絶賛してるだけになってしまうのですが、
本当にこうとしか言えない自分もいる。やっぱり語彙力が足りない。
まぁとにかくすごく好きな1曲ですよってことです。
17.from Y to Y
最期を飾るのにふさわしい壮大な、しかしそれでいて身近さを感じさせてくれる曲。
ジミーサムPの曲は正直聞き流すだけになることがほとんどでした。
良い意味でも悪い意味でも、耳に残らない曲が多かった。
ただ、これはちょっと存在感があったね。
おそらくそれは作者自身の経験からこの曲の歌詞が作られたからではないかと思う。
「実体験をボーカロイドに歌わせる」ことはできても、
それをメロディに乗せて感情を窺わせるように歌わせるのは難しいことかと。
それが出来ているこの曲はやはり確かな調声技術の証拠となっていると思う。
●収録曲に関して●
各々の楽曲のレベル・音質はいいんだけど、アルバムとしての完成度は微妙。
これが聴いてみて思った正直な感想です。
買う前から予感はしてたけど「とりあえず人気曲を詰め込んでみました」感が拭えない。
そういうアルバムだと言われればまぁそれまでなんだけど。
そんなことを感じた具体的な理由は以下の4つ。
1.流れを切るネタ曲
個人的な好みの問題になるけど、こういう類のアルバムにはネタ曲は不要。
だったらネタ曲だけ集めて1枚のアルバムにして欲しかった。
ハッキリ言ってネタ曲で聴いている流れがぶった切られてしまう感じがした。
「サイハテ→RIP=RELEASE」と切ない曲が続いていたと思ったら途端に「うろたんだー」とか、
「ココロ→カンタレラ」の次に「ぽっぽっぽー」とか。
最も許せなかったのは「桜の季節」の切ない余韻に浸ってたらいきなり「トルコ行進曲オワタ」
幻想的な余韻も何もなく一気に現実に引き戻される「♪朝起きた、寝坊した~」
こんな感じにところどころにあるネタ曲のせいで流れが切れる感じは否めなかった。
なお、「ネタ曲」の定義に関しては個人差があるとは思うが、
あくまで個人的な定義に則っての考え方なので悪しからず。
うろたんに関してはネタ曲とすべきかどうか迷うところではあったが、
ネタ的な側面も強いのでここでは例として挙げさせてもらった。
2.不明瞭なコンセプト
1つ目のネタ曲についてとも多少関連があるけど、
どうしてもアルバム"Vocalostar"の世界が見出せなった。
「1枚のアルバムとして」という観点なら前作Vocarhythmの方が遥かに上だと思う。
と言うことでちょっと前作Vocarhythmと比較してみたいと思う。
なお、Vocarhythmに関してはこの日記でも前に語っているので併せて参考までに
【http://34643.diarynote.jp/200903160135145794/】
Vocarhythmには「初期の名曲を中心に収録」という具体的なコンセプトがあったように思う。
モノクロアクトは例外だけど、他の曲はみんなミク発売直後~2008年前半の曲ばかり。
また、Vocarhythmにはいわゆる純度完全なネタ曲はなかったように思える。
歌詞に多少小ネタが挟まっている程度のものはあったけどね。
最初期からミクを聴いている人にしか理解できないかも知れないが、ちょっと考えてみて欲しい。
仮に「この想い伝えたくて」の歌詞がまとも版ではなくて通常版だったとしたら。
デPの枠が「永遠に続く五線譜」ではなくて「私は人間じゃないから」だったとしたら。
「初音ミクの消失」が「魔法少女ラジカルペイント」だったとしたら。
「夕日坂」じゃなくて「通勤快速」だったとしたら。
上記の「もしも」がどれか1つでも成り立っていたとしたら、
その時点でVocarhythmというアルバムは破綻していたと思う。
別に上記のどの曲そのものを否定するつもりはない(デPの曲などは人を選ぶとは思う)が、
アルバムのコンセプトに沿っているかどうかには疑問が残る場合もある。
その点、Vocarhythmは「こだわり」がハッキリしていたからこそ、
しっかり評価されたアルバムになっていたんだと思う。
それに対しVocalostarの収録曲の投稿日を見てみると・・・
初期の曲なら「私の時間」や「桜の季節」「サウンド」などが2007年に投稿されたもの。
一方最新のものは「RIP=RELEASE」と「from Y to Y」が今年に入ってからの曲である。
別に収録曲の投稿日時のみで判断するものではないと思うが、
他の部分でもそういった「こだわり」がこのVocalostarには感じられなかったのが残念。
3.収録されるアルバムを間違えている曲たち
「アルバムのコンセプト」の話をしたついでにもう1つ。
これまた好みの問題になってしまうのは事実だがこのアルバム、
入るアルバムが微妙にズレてる曲がいくつかある気がする。
ハッキリ言おう。「私の時間」と「もっと 伸びろ ぼくの 動画」である。
この2曲はどう考えても来月発売の「ニコニコ動画せれくちょん」向きだと思うんだ。
歌詞に思いっきり「ニコニコ動画」と入ってる「私の時間」
動画作成をネタに歌詞を作ってる「もっと 伸びろ ぼくの 動画」。
どちらも歌詞の着想点、始まりが「ニコニコ動画」なんだから、
ニコニコ動画をコンセプトにしているあのアルバムに入るほうが妥当ではないかと。
もっと言えば「ぽっぴっぽー」や「トルコ行進曲」も個人的にはあっちでいいと思う。
更に言えば「卑怯戦隊うろたんだー」もそうあるべきなのだが、
うろたんはあちらにも収録される模様なのでよし。むしろGJ。
そして代わりに「ハト」をよこせと言いたい(笑)
あのアルバムにハトは正直どうかと思うんだ。
4.MEIKOオリジナル曲の不在
"feat.初音ミク" と銘打っている以上ミクが中心になるのは仕方ないとは思う。
しかし、「ミク以外のボーカロイドの曲も収録」を謳い文句にしているのなら、
MEIKOがメインボーカルの曲も1曲くらい欲しかった。
ミク以外がメインボーカルの曲を見ると、
リンが「炉心融解」と「ココロ」、レンが「雲の遺跡」
ルカが「RIP=RELEASE」、KAITOが「卑怯戦隊うろたんだー」と「カンタレラ」
だと思って良いだろう。(サンドリヨンは迷うところだがミク・KAITOの半々と判断)
そう、MEIKOさんがいないのである。
このCDでのMEIKOの出番はうろたんと雲の遺跡のバックコーラスだけなのである。
しかも名前が載っているのはうろたんだーのみという仕打ち。これはいただけない。
このCDのバランスを見ると、個人的な好みもあるが・・・
O-9の「忘却心中」や、シンPの「それが僕らのJustice」などはどうだろうか?
まぁ、ボカロ好きなら誰でも知っているようなMEIKOオリジナル曲となると数は限られるが・・・
なんとか1曲くらいは収録して欲しかったものである。
これらの点から既存のボーカロイドアルバムと比べても、
アルバムとしての「まとまり」を考えるとちょっと劣るような気がしてしまうのです。
大事なことなので改めて書いておくけど、各曲の出来に関しては良かったと思ってます。
上記4つの理由の中で挙げた曲そのものが良くないと言う気はまったくないので、
そこは勘違いしないでもらいたい。
○ジャケット&ブックレットに関して○
イラスト担当は、supercellの「恋は戦争」でもお馴染みのプロの漫画家三輪士郎氏。
イラストについては今回のアルバムのイメージとも合うし良かったと思う。
そして本題はブックレット。
今作には歌詞やニコニコ動画のサムネイルの他、
各曲のページに作者の簡単な自己紹介と曲の紹介が掲載されている。
この欄の気合の入り方は各作者によってまちまちなのだが、
それぞれの曲の作者の人となりや
曲がどんなものか、どんな気持ちで作ったかなどが書かれている。
これについてはこのアルバムでもっとも評価すべきところだとも言える。
ボーカロイドのコンピレーションアルバムであることの強さが見えるブックレットと言える。
これについてはすごく良いと思うので、素直に賛辞を送りたい。
余談1
「トルコ行進曲-オワタ\(^o^)/」の作曲者の名前にその通りなんだけど吹いた。
余談2
bakerさんが超地元民なんですがw
ニコニコ動画のcelluloidの映像から地域を割り出していた人がいて、
「意外と近いかも」なんて思ってたら予想以上に近そうだ。
ひょっとしたら街で普通にすれ違ってもおかしくないレベルっぽいんですがw
○まとめ○
17曲という圧倒的な収録曲数。多くは知名度の高いボカロオリジナル曲。
これだけでも十分評価には値します。
最新のものから初期の名作まで主要なものが一通り揃っているので、
前作同様ボーカロイド曲の入り口としてはふさわしい1枚ではないでしょうか。
そしてブックレットの曲紹介等、コアなユーザーへのサービス要素もあり。
音質の良くなっているものも多々あり、MP3は持っている人にも勧められる要素も十分。
自分のように「アルバムとしてのまとまり」を重視しなければ満足できる一品です。
個人的には収録曲のコンセプトや曲順には不満もありますが、
もちろん楽しく聴けるアルバムであるということは変わりません。
●オマケ カラオケで歌える曲●
4.卑怯戦隊うろたんだー
5.ココロ
6.カンタレラ
8.私の時間
10.トルコ行進曲-オワタ\(^o^)/
11.夢みることり
の6曲は全国のJOYSOUNDで絶賛配信中!
特にトルコ行進曲はボカロ知らない人に対しても笑いが取れると好評らしい。
自分もカラオケに行く機会があれば相手を見て歌ってみようかと画策中ですw
(ただしカラオケでの選曲は自己責任で。滑ったり白けたりしても責任は持てませんので悪しからず)
スピーカー キズついた時 思い出した
深く響く 力強いメロディを
願い いつでもここで
遠くへと 君へと届け
サウンド / baker
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