画像は原作の最新刊。でも来月にはもう1冊出ますね。
だが内容は今更なアニメの話。ほんと今更だな
物凄く今更だけど一応最後まで観ていた作品なので、
とりあえず感想はまとめておいてみたいと思う。

以前1期の感想を書いた後に某所で全話観直したので、
そちらの内容も含めて書いておこうと思う。
ただ、既にけっこう時間が経っちゃってるし、内容は割とテキトー。
加えて割とボロクソに言います。色々酷かったし。
良かった部分は良かったというけど、アニメ肯定派は以下閲覧注意。


率直な印象としては

「1期は原作を知らないと、2期は原作を知ってると観れない作品」

ということを強く感じました。


1期は、世界のシステムや演奏者と悪魔に関する説明や描写が足りていないのに、
勝手に話だけが進んでしまった印象はどうしても拭えない。

原作1巻に当たる3話くらいまではそれなりに丁寧だったと思うけどね。
最初からそれなりに改造されてはいたものの、
後半の重要人物となる冬流をかなり早い段階の2話でちょっと出すなど、
意図が理解できる程度のものでした。原作だと初登場が6巻だもんねw

原作2巻にあたる4話からアニメ独自色が出始め、ここで最初の超展開。
ドビュッシーの正体が真日和のヴィヴィアンに変更され、
六夏と共に第2生徒会初登場の回に充てられた。(原作では5巻)
結果本来この話の元となった原作2巻で活躍予定だった柱谷奥さんは消滅。
旦那さんの方は担任Aとしてトモハル達のクラスのモブキャラとして描かれることに。
ちなみにその話がカットされてしまったせいで柱谷先生に物凄い違和感を覚えたのは、
8話でスタビライザの効果で一般人にも見えるようになった操緒の転入のシーン。
彼がただの一般人だとしたら何事もないように操緒を迎えるのはどうなんだろうかw

それと1話前まで黒鐵の制御に必死だったのに、
4話からいきなり完璧に使いこなしていたトモハルには吹いたww

1期については後は以前に書いたことくらいかな。
この機会に文章がおかしかった部分を一部修正してみた過去記事
http://34643.diarynote.jp/200906280345246224


2期は、登場人物や話をカット・短縮し独自展開へと進んでいく中で、
思い切り端折りながらも中途半端に原作に準拠したセリフに違和感が。
そういう意味で、原作を知ってると観れない気がしました。
展開そのものは原作知らなければそれなりには盛り上がるだろうし、
1期とは逆に原作未読の方が楽しめる内容だったのではないかと。
ラストはまぁそれなりにまとまったとは思うしね。

ただ自分は思いっきり原作既読なので、残念ながらあまり良い評価は出来そうにないです。
ということで以下特に思ったことをまとめてみます。率直に持った印象は以下の4つ。

1.とにかく展開速すぎ  
2.原作よりもシリアスに偏りすぎ
3.一巡目の世界の描写は有り得ない
4.ラストだけはそれなりに良かった



1.展開速すぎ
1期もそう感じたけど、2期のぶっ飛び具合は1期の比じゃなかったように思えます。
1期が13話で原作5冊(1~4巻+7巻)だったのに対し、
2期は原作7冊(5・6・8・10~13巻)と2冊も多かった。
話数は同じ13回でその上5,6巻の端折りっぷりは異常だったのにねw
とりあえず、原作とアニメの進行速度を対比してみます。


1期
1~3話:原作1巻
 4話 :原作2巻(ただし超改変)
5・6話:原作3巻
 7話 :アニメオリジナル(内容は原作3巻の補足的なもの)
8~10話:原作4巻
11~13話:原作7巻

2期
 1話 :原作5巻(ただし超改変)
 2話 :原作6巻の一編
3・4話:原作8巻
 5話 :原作6巻の一編 (原作6巻は短編集)
6・7話:原作10巻
8~10話:原作11・12巻(ただし超展開)
11~13話:アニメオリジナル最終戦(一応原作13巻踏襲?)

ちなみに原作9巻の話は丸々カット



こんなところです。1期は(簡略化した4話以外は)3回で1冊分というペースだったが、
2期は2回で1冊ならマシと言わんばかりの超ハイペース。
当然カットされたり、簡略化されたり、設定を原作から改ざんしたりとやりたい放題。
それで無理やり繋げてなんとか1冊を消化していた印象はどうしても拭えない。
上で超改変と書いてある部分は原作とはもはや完全に別の話になっていたし、
そうでない部分にも大小様々な原作との相違点がありました。
それで良い方向に向かう作品もたくさんあると思うけど、
少なくともこの作品についてはとてもじゃないけど当てはまりません。

本来後半の盛り上がるべき部分にはたくさん枠を使うべきなのに、
そんな部分になればなるほど改変や端折りが目立ち、超展開のオンパレード。
あまりの超展開に笑うしかなかった場面も多々ありました。


2.シリアスへの偏り
ペースを上げるために原作の描写の中から重要な部分を抜粋していたと思う。
それ自体はアニメにするに当たっては必要なことだし、どんな作品でもするでしょう。
が、その抜粋の仕方で作品の良し悪しが決まると言っても過言ではなく、
この作品の場合抜粋の仕方のせいでシリアス部分とコミカル部分のバランスが、
見事なまでに崩壊してしまったように思えた。

その理由は言うまでも無くシリアスに偏りすぎてしまったということ。
カットされた部分の大半は日常的なコメディ的部分。
結果残ったのは常にシリアスな展開ばかり。
が、元々ギャグ的な要素も強い作品なこともあり、
随所に笑わせる要素が中途半端に残ってしまっていた。
正直に言ってしまうとそれらが浮きまくってて物凄く寒いw

原作が原作だけにシリアスにもなり切れず、かといってギャグ的にも中途半端。
これは失敗だったと判断をせざるを得ない出来でした。
まぁ確かに作り方の難しい作品だったとは思うけどね。

もう少しギャグ要素も残して原作に忠実な笑いありマジ展開もありにするか、
シリアスに偏らせるならギャグ要素は捨ててとことんシリアスで行って欲しかった。

蛇足という人も少なくない原作のコメディ部分ですが、
やっぱり大事だったんだなぁとアニメを観て改めて思いましたw


3.一巡目の世界での話
酷い部分を色々挙げれば正直キリがない。粗を探せばいくらでも出てくる。
そんな中でも郡を抜いて「ねーわwww」と思ったのが一巡目の世界での出来事の描写。
原作11・12巻、アニメだと2期の8~10話に当たる部分。

とりあえず強そうなはぐれドウターを倒しただけで一巡目を救ったという超展開を筆頭に、
信じられないような原作無視の改ざんが次から次へと。
まぁ確かにここで原作通りにダルアをボスキャラには展開上出来ないとは思うけども・・・

とりあえず他に「ねーわ」と思ったのを列挙してみる。なるべく時系列順に。
・とってつけたようにそこだけ原作通りの奏への告白&彼女宣言(まぁ原作も唐突だったけど)
・鳴桜邸での絡み一切なしにひょっこり出てきてあっさり正体が判明した大アニア
 (しかも原作にはあった年相応な部分もなく天才高飛車なまま)
・「うずしお」内で歴代のべリアルドールの抜け殻を見るシーンでの哀音や秋希のカット
・「世界を救う」ことに必要以上に固執しているトモハル
 (原作はあくまで目的は「操緒の開放」で世界を救うのは「ついで」というスタンス)
・理屈がまったく不明だけど乗り移って黒鋼を強化して勝手に消滅した一巡目の操緒
 (アニメだと一巡目の操緒は二順目に飛んでないんであぁするしかなかったんだろうけど)
・ベリアルドールもいないのに勝手に巨大アスラマキーナになっちゃった「うずしお」
・「契約しますか?→します」 だけで済まされちゃういかにもな安っぽい契約

そして個人的に何よりも許せなかったのは
・告白するだけして振られて勝手に泣きながら去るだけの存在に成り下がった杏

でした。原作では2巡目のトモハルと1巡目のトモハルの違いを
言動などの違和感だけで見抜いた数少ないキャラで、もっと深いやり取りがあったのにね。
この杏の扱いを見ただけで作りを浅くしてるのがありありと見えてしまい、萎えました。

と色々挙げてはみたけどまだまだある気がしてならない。
良いか悪いかは別として、アニメがどれだけ展開を単純化していたのかがよく分かる。
敷居を下げるための単純化という理屈は分からなくはないけど、いくらなんでもこれは酷い。
独自展開とは本当によく言ったものだよ。
他の話でも色々改変されてて酷いと思ったことはあったけど、
この一巡目の世界での話の劣化改変っぷりはシリーズでも最大だったと思うんだ。


4.ラストバトルはまぁよし
ここまで散々ボロクソに叩いてきたけど、
ラストの部長戦に関してだけはそこそこ良かったんじゃないかと。
1期のラストには負けるけど、それなりに盛り上がる展開だったと思う。

まずラスボスを部長にしたのはアニメ的には間違いなく正解だったかと。
ここを下手に原作通りにデウスなんてよく分からんものは出せないよね。
原作でもまだ完結してないみたいだし、そんなことをしたら
それこそ超展開ラストスパートとしか言えなくなっただろうし。

これまでに登場していた翡翠・ビスマス・薔薇輝を同時に使うってのも、
原理の説明はまったくなかったけどまぁラスボスっぽいしアリかと。
2期前半までに退場していた全ての機体が最後に出てくるってのも盛り上がるでしょう。

展開はほぼアニメオリジナルになっていたものの、
翡翠を失った佐伯兄の武器やアニアの幸運分与などは原作の13巻を踏襲していたし、
原作では悲惨な最期を迎えたイグナイターがアニメだときちんと役割を果たした点などは、
原作とアニメを対比できていて良かったのではないかと思います。

まぁ鳳島兄がアニメでは抹消されてるから氷羽子の動機が弱かったりとか、
最終決戦にいるメンバーが原作よりも全然少なかったり、
(アニメ化に当たって消え去った人が多すぎたせいで・・・)
まったく思うことがないとは言えないけどね。

思うことと言えばとって付けたような秋希の二刀流の再現や、
操緒の「最後は戻ってくる」発言など、展開に無理のある微妙な原作踏襲もいくつかあり。
だが、そんなものは直前の一巡目での展開に比べれば些細なもの

エピローグで操緒(と姫笹)が実体化するのは都合良すぎだったとは思うけど、
これで結末を迎えるアニメとしてはまぁ無難な落としどころだったとも思うし。
とは言え最終決戦→エピローグの流れは、そこそこ観れたものになっていました。




とりあえず、自分が感じたのはこんなところでしょうか。
正直あまりの酷さに筆が進まない箇所も多々あり、
こんなに今更になってしまったので曖昧な部分も多いですが・・・
ということで、2009年秋アニメの総括はこれにて終了!

【2010年2月10日 こっそりと加筆・修正】

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