EXIT TUNES PRESENTS Supernova
2010年1月26日 VOCALOID-CD
今日も懲りずにCDレビュー。今回は久々にボーカロイドのCD。
全曲このCDのための書き下ろし曲で構成された1枚
Exit tunes の"supernova"です。
既に発売から約2ヶ月も経ってしまっているのはここだけの話
1.R-18 / cosMo@暴走P
2.twinkle our days / DIOS/シグナルP
3.向日葵 / yanagi
4.刹月華 / SCL Project(natsuP) feat. VanaN’Ice
5.Desire / otetsu
6.lost / 164
7.DREAMA / 線形ネコ型システム(くちばしP)
8.君の全てを与えて / Re:nG
9.脱げばいいってモンじゃない! / デッドボールP
10.ずれていく / wowoka(現実逃避P)
11. clock lock works / ハチ
12. Blindness / Treow/逆衝動P
13. Dancing 男子 / れるりり
14.うまい棒 / 乱数P
15.ヘリオポーズ / 卑屈P
16.キミボシ / 40mP
17.Starduster / ジミーサムP
公式サイト
【http://super-nova.cd/】
初音ミクwiki内本CDのページ
【http://www5.atwiki.jp/hmiku/pages/7067.html】
1月26日現在では「twinkle our days」と「Dancing 男子」の2曲を除く
15曲がニコニコ動画にアップされています。
しかも、そのうちの5曲が「週刊VOCALOIDランキング」で1位を獲得するなど、
非常にパワーのあるラインナップになっていると言えます。
全曲このアルバムのための書き下ろし曲ということもあってか、
音質的にはニコニコ動画上にアップされているものと、
どれもそこまでの差は感じられませんでした。
しかし良い曲が揃っているし1枚のアルバムとしての完成度も高いので、
CDを買う価値も十分にある1枚に仕上がっていると思います。
では、いつも通り全曲簡単に感想を書いてみます。
○全曲簡易感想○
1.R-18
週刊VOCALOIDランキング#111:1位
超高速・超高音域など、何かしら尖った曲を作ることの多いcosMo氏が作った割と普通の曲。
タイトルは18歳未満禁止的な意味ではなく、国道18号的な意味の"R-18"です。
全体的に難しくないシンプルな音の流れだとは思うけど、cosMo氏らしさは健在。
尖った曲は作れる人は、普通な曲も作れる。
ということを感じさせてくれる1曲に仕上がっています。
2.twinkle our days
Transmitを彷彿とさせるようなリンの超高音域をふんだんに使った1曲。
この高音を自然に聴けるようにするシグナルPの調声技術の高さが窺えます。
前奏のキラキラした感じが一貫して続く曲調が非常に好みです。
年頃の女の子を描いた曲であることが、曲でよく表現されていると思いますね。
一部聴き取りにくい箇所もありますが、1フレーズ単位で流れる英語の部分はお見事。
まぁリンの調声は非常に難しいらしいので、それを考えると十分だとは思うけどね。
鏡音リンというボーカロイドの長所も短所もよく出ている曲のように思えます。
3.向日葵
サビの激しい感じがまさにMEIKOのための曲!と思わせてくれます。
この曲のサビの爆発力は、間違いなくMEIKOでしか出せないでしょう。
地味に歌詞も深いのですが、やはり特筆すべきはその圧倒的な存在感。
モノクロの世界を表現している機械的で静かな1番Aメロと、
力強い向日葵を表現している自然な感じの激しい2番Aメロ。
この2つの違いが絶妙。とても同じボーカロイドで作ったとは思えないような差です。
それでいてどちらの雰囲気も見事にMEIKOの声質に合っているのだからこれはすごい。
4.刹月華
週刊VOCALOIDランキング#121:2位
がくっぽいどとKAITOの掛け合いや疾走感が心地良い1曲。
CDではそこまでボーカルの折り重なりを意識してなかったけど、
動画で聴くと掛け合いの部分がかなり複雑に作られてるのがわかると思います。
まさか発売からこんなに日が経ってからニコニコにアップされるとは思わなかったけど、
それによって改めて良さを感じることが出来ました。
これは珍しく映像によって曲の奥深さを知れた1曲。
ぜひ1度はニコニコ動画上でも聴いてみて欲しい。
5.Desire
週刊VOCALOIDランキング#111:3位
otetsu氏のルカらしい自然な発声は相変わらずお見事。
特に間奏後の早口の部分の聴き取りやすさはすごいと思う。
これを完璧に、そしてブレス無しに歌うのはやはりボーカロイドでこそ。
Aメロ・Bメロ・サビとテンポが変わる忙しい曲ですが、
それだけに調声技術の高さが分かる1曲になっています。
ボーカロイドが歌うということを強く意識して作られている曲のように思えますね。
というか、この曲を人間が歌うのはあまりに難易度が高いと思うんだw
そして、これだけ変速的(誤字じゃないよ)な曲であるにも関わらず、
前奏から最後まで一貫してotetsu氏の作る巡音ルカ楽曲らしさが伝わるのは脱帽。
6.lost
164氏の曲はshingrayくらいしか聴いたことがなかったのですが、
こんな曲も作れるんですね。と思わず感心してしまいました。
アップテンポなバンドサウンドに惑わされてしまうけど、中々に歌詞が切ない。
本人はガチャガチャの汚いロックなんて言ってるけど、この曲は割りと嫌いじゃないかな。
予想外に良かった曲、という意味ではコレが1番かも知れない。
ドラムのシンバルの音が特に良い味を出しています。
基本常時鳴っているものだけど、ラストのサビの1回目だけ消えるところとか、
とても上手い曲の作り方だと思いましたねー。
7.DREAMA
週刊VOCALOIDランキング#110:20位
この曲のためにこのCDを買ったと言っても過言ではない1曲。
前奏のゆっくりなサビと、盛り上がる部分のサビの対比がたまりません。
くちばしP史上最高傑作だと個人的には思う。
曲調、歌詞の持つ世界観、ミクの調声、どれを取っても自分の好みど真ん中。
初めてこの曲を聴いた時には、誇張なしに全身が震えました。
本能的に良いと感じる曲に出会えると、心の中にストンと落ちてくるじゃないですか。
聴いてるだけで泣けてきたり、気づくと熱唱してたりなどなど、
人によって、曲によってそのカタチは違うとは思いますが。
これまで何百曲とボーカロイドオリジナル曲を聴いてきましたが、
この感触を最初に聴いた時に得た曲というのは本当にごく僅か。
あぁもう、この曲の良さを思う存分語り尽くせる語彙が自分にないのがすごく悔しい。
なんとも表現し難い、不思議な心地よさがあるのです。
8.君の全てを与えて
ノリの良いバンドサウンド的な曲の多いRe:nG氏ですが、
こういう落ち着いた曲も作れるんですねぇ。この人の引き出しの多さがよく分かる曲です。
ここまで様々な方向に激しい曲が続いていたので、一休み入れるにはちょうど良い1曲。
終始漂うふわふわと浮いているような感覚が不思議な1曲です。
9.脱げばいいってモンじゃない!
週刊VOCALOIDランキング#108:1位
まさに歴史的放送事故、ぼからんでついに1位を取っちゃったデPのターン!
この曲をぼからんにランクインさせてしまったsupernovaの罪は非常に大きいと思いますw
(この歌詞だし、CD収録がなければ恐らく除外されていただろうしね・・・)
いつものデッドボールな歌詞に心地よいメロディは相変わらず健在。
他の人が作るいわゆる「アレ」な曲にはない、
「アレ」なだけではなくて妙に現実的な辺りはまさにいつものデP。
10.ずれていく
週刊VOCALOIDランキング#108:2位
これまでこの人の曲をまともに聴いたことがあったのは「裏表ラバーズ」だけでした。
個人的には「裏表ラバーズ」を超えるものではないかと思うけど、なかなか良い感じ。
まさにDTM!打ち込み音楽!という感じのシンプルなメロディが、
ミクの声質に非常によく合っています。
メロディがループで成り立っているという点もそう感じさせる要素の1つでしょう。
11.clock lock works
週刊VOCALOIDランキング#113・114:1位
この人の曲は正直どれも好きになれなくて敬遠していたのですが、意外と悪くなかった。
解説によるとテーマは「働く」ことらしく、それを歯車と上手く掛け合わせた歌詞が印象的。
歌詞とメロディだけで十分に曲の世界を表現するこの人のセンスの良さは、
この曲にもよく出ていると思います。
が、ニコニコの動画は「歯車」を意識し過ぎててくどい感じがしたし、
ギターを持ってるミク?の映像は正直いらなかったと思う。
曲と歌詞だけでも十分「歯車」を表現した曲なのは分かるでしょ。
映像つきで見るよりも、曲単体で聴いた方が良い曲だと思えました。
12.Blindness
週刊VOCALOIDランキング#115:1位
今までまったく聴いたことのなかった人の曲でしたが、非常に良いです。
前奏のピアノから一気に引き込み、そのまま流れるようなメロディがとにかく秀逸。
その他にも流れをいきなりぶった切って入る間奏や、
微妙にセオリーを外しているのがド素人でもよく分かる音符の配置、
Aメロの自然な感じで歌われている歌に所々入る機械的なミクの声、
サビのミクとルカの掛け合い部分などなど。
例を挙げればキリがないですがとにかくセンスに溢れています。
こういう曲を作れる人って本当にすごいと思うんだ。
この人の作った他の曲も聴いてみたい。
そう思わせるだけの製作者のセンスの良さを感じた1曲でした。
13.Dancing男子!
サビのリズミカルなメロディが不思議と残る1曲。
クールにハイテンションなメロディが独特だなぁという印象が強いです。
ミクとルカの重なる部分の聴き心地がなかなかに良いです。
韻を踏んでいる歌詞は面白いとは思うんだけど、自分の好みとはちょっと違ったかなぁ。
14.うまい棒
相変わらずこの人はwwww これは本当のうまい棒の歌なんだろうか?
うまい棒でこんなことした人なんて普通に考えたらいないだろwwww
そして喋りが無駄に上手いという。これ歌の部分よりもある意味自然に聞こえるんじゃね?
まぁ、この曲の場合歌の部分にはあえて機械っぽさを残したような感じもするけど。
でも、機械っぽいのに早口な部分もそれなりに聴き取れるってすごくね?
15.ヘリオポーズ
卑屈Pの曲は久々に聴いたけど、この人ガチで曲作るとすごいんだね。
アナロ熊だの伸びろ伸びろだの言ってちゃ勿体ないよマジで。
この壮大な感じはちょっと他の曲ではなかなか出せないと思う。
氏の言葉を借りるなら「宇宙ヤバイ。超ヤバイ」そんな感じ。まさにそのままな曲です。
また、supernovaというアルバムのタイトルやイラストにもっとも合った曲だと思います。
しかもコレ、初音ミクwikiで知ったんだけどボーカルはリンなんだね。
普通にずっとMEIKOだと思って聴いてたんですが。。。
リンでこんな声出せるんだね。それもまたすごいわ・・・
16.キミボシ
週刊VOCALOIDランキング#110:1位
40mPらしい自然体で存在感のあるミクの調声は健在。
いつも通りの安心して聞ける信頼の40メートルブランド(何)
この人の曲は無理に高音で盛り上げようとせず、狭い音域にまとめているのが好印象。
それでいて終始一貫している優しいメロディと、サビの広がりがたまりません。
身近にある素直な感情を素直に曲にすると、こういう曲になるんだろうなぁと思う。
1つ前のヘリオポーズが宇宙そのものの偉大さを歌った曲であるのに対し、
こちらはそんな宙を見上げてその神秘を歌った曲ですよね。この流れはまさにsupernova。
曲単体として見ても相応に良い作品でしたが、
1枚のアルバムとして見るとこの2曲の流れは非常に素晴らしいものがあると思う。
17.Starduster
週刊VOCALOIDランキング#107:4位
曲だけ見れば良くも悪くも、いつものジミーです。
が、正直に言ってしまうとこの曲はそこまで好きになれなかった。その理由は恐らく歌詞。
「愛を愛を」と連呼しているのに違和感を感じられずにはいられなかった。
なんというか、作らされているような印象がどうしても拭えなかったんだよね。
ジミーの曲ってのは壮大でありながらも身近で素朴な歌詞が受けていたと思うのに、
今回のStardusterはなんか無理矢理壮大に仕立て上げた感じがしてしまいました。
ヘリオポーズから続く宇宙を意識した曲の3連続は恐らく製作側も意図していたことだろうし、
それ自体は別にいいんだけど、その意図がここまで露骨に見えちゃうとちょっと・・・ね。
○まとめ○
知らない方もいて、全曲書き下ろしということもあり未知数な部分の多いアルバムでしたが、
フタを開けてみると予想以上に良い楽曲が多く期待以上の出来でした。
知らない人も多いし1/3くらいはハズレ曲も覚悟していましたが杞憂でした。
お気に入りを挙げるならまず「DREAMA」が別格。
自分的には全てのボカロ曲の中でも5本の指に入っておかしくないレベル。
他も非常に良かったので甲乙付けがたいのですが、しいて次点を挙げるなら
「向日葵」「Blindness」「キミボシ」辺りでしょうか。
意表を突かれた良い曲としては「lost」や「ヘリオポーズ」などですね。
既知の人と未知の人という点だけでなく、
1曲目のR-18を筆頭に、普段とは逆の作風で作ってみたと思われるものと、
キミボシなどのいつものその人らしい安心して聴ける曲とのバランスがよかったですね。
そういった点も含め、非常に層の広いアルバムに仕上がっているように思えます。
たまには普段聴かない人の曲を聴いてみるのも悪くないと思わせてくれる、
ボーカロイド楽曲の新たな広がりを垣間見ることのできた1枚でした。
●オマケ:先週発売されたVocalolegendについて●
正直買うかどうか迷ってたんですが、これは見送ることになりそうです。
確かに星屑ユートピアやSPiCa、裏表ラバーズなどは好きだしCDで聴きたいとも思う。
それにStargazeR、ストラトスフィアといった好きな曲の新アレンジに、
忘れちゃいけない新SuperDeadballBeatも聴きたいけどね。
ただ、好きな人には悪いけど正直上記の曲以外があまりにもどうでもよすぎて・・・
よっこらせ(笑)なんてハッキリ言って聴きたくない曲の筆頭だし、
最近流行りの羅刹ト骸とか1925も心底どうでもいいしなぁ。
悪ノシリーズも周りが囃し立てすぎてる感じが好きじゃなくてどうにも入り込めないし、
以前Prismのレビューでも書いたけど、ジェミニもラップ部分の不自然さがどうも好きになれなかった。
まぁこの辺はCD化にあたり再調整している可能性もありますが・・・。
今回レビューしたsupernovaと違って全部聴いたことのある曲だし、新鮮味はないんだよね。
1/3はどうでもいい曲だと思うと、わざわざ買いたいって意欲はあまり出てこないのが正直なトコロ。
MP3配布のされていないSPiCaやSDBは特に惜しいけどね。。。
まぁそんなわけで、これまでの自分の購入履歴なら買うだろう1枚ですが、
今回は見送ることにした次第です。買わない以上レビューは書かないと思うので、
やや場違いだけどここにその経緯を書き記しておきました。
全曲このCDのための書き下ろし曲で構成された1枚
Exit tunes の"supernova"です。
●収録曲 / 製作者名(敬称略)●
1.R-18 / cosMo@暴走P
2.twinkle our days / DIOS/シグナルP
3.向日葵 / yanagi
4.刹月華 / SCL Project(natsuP) feat. VanaN’Ice
5.Desire / otetsu
6.lost / 164
7.DREAMA / 線形ネコ型システム(くちばしP)
8.君の全てを与えて / Re:nG
9.脱げばいいってモンじゃない! / デッドボールP
10.ずれていく / wowoka(現実逃避P)
11. clock lock works / ハチ
12. Blindness / Treow/逆衝動P
13. Dancing 男子 / れるりり
14.うまい棒 / 乱数P
15.ヘリオポーズ / 卑屈P
16.キミボシ / 40mP
17.Starduster / ジミーサムP
公式サイト
【http://super-nova.cd/】
初音ミクwiki内本CDのページ
【http://www5.atwiki.jp/hmiku/pages/7067.html】
1月26日現在では「twinkle our days」と「Dancing 男子」の2曲を除く
15曲がニコニコ動画にアップされています。
しかも、そのうちの5曲が「週刊VOCALOIDランキング」で1位を獲得するなど、
非常にパワーのあるラインナップになっていると言えます。
全曲このアルバムのための書き下ろし曲ということもあってか、
音質的にはニコニコ動画上にアップされているものと、
どれもそこまでの差は感じられませんでした。
しかし良い曲が揃っているし1枚のアルバムとしての完成度も高いので、
CDを買う価値も十分にある1枚に仕上がっていると思います。
では、いつも通り全曲簡単に感想を書いてみます。
○全曲簡易感想○
1.R-18
週刊VOCALOIDランキング#111:1位
超高速・超高音域など、何かしら尖った曲を作ることの多いcosMo氏が作った割と普通の曲。
タイトルは18歳未満禁止的な意味ではなく、国道18号的な意味の"R-18"です。
全体的に難しくないシンプルな音の流れだとは思うけど、cosMo氏らしさは健在。
尖った曲は作れる人は、普通な曲も作れる。
ということを感じさせてくれる1曲に仕上がっています。
2.twinkle our days
Transmitを彷彿とさせるようなリンの超高音域をふんだんに使った1曲。
この高音を自然に聴けるようにするシグナルPの調声技術の高さが窺えます。
前奏のキラキラした感じが一貫して続く曲調が非常に好みです。
年頃の女の子を描いた曲であることが、曲でよく表現されていると思いますね。
一部聴き取りにくい箇所もありますが、1フレーズ単位で流れる英語の部分はお見事。
まぁリンの調声は非常に難しいらしいので、それを考えると十分だとは思うけどね。
鏡音リンというボーカロイドの長所も短所もよく出ている曲のように思えます。
3.向日葵
サビの激しい感じがまさにMEIKOのための曲!と思わせてくれます。
この曲のサビの爆発力は、間違いなくMEIKOでしか出せないでしょう。
地味に歌詞も深いのですが、やはり特筆すべきはその圧倒的な存在感。
モノクロの世界を表現している機械的で静かな1番Aメロと、
力強い向日葵を表現している自然な感じの激しい2番Aメロ。
この2つの違いが絶妙。とても同じボーカロイドで作ったとは思えないような差です。
それでいてどちらの雰囲気も見事にMEIKOの声質に合っているのだからこれはすごい。
4.刹月華
週刊VOCALOIDランキング#121:2位
がくっぽいどとKAITOの掛け合いや疾走感が心地良い1曲。
CDではそこまでボーカルの折り重なりを意識してなかったけど、
動画で聴くと掛け合いの部分がかなり複雑に作られてるのがわかると思います。
まさか発売からこんなに日が経ってからニコニコにアップされるとは思わなかったけど、
それによって改めて良さを感じることが出来ました。
これは珍しく映像によって曲の奥深さを知れた1曲。
ぜひ1度はニコニコ動画上でも聴いてみて欲しい。
5.Desire
週刊VOCALOIDランキング#111:3位
otetsu氏のルカらしい自然な発声は相変わらずお見事。
特に間奏後の早口の部分の聴き取りやすさはすごいと思う。
これを完璧に、そしてブレス無しに歌うのはやはりボーカロイドでこそ。
Aメロ・Bメロ・サビとテンポが変わる忙しい曲ですが、
それだけに調声技術の高さが分かる1曲になっています。
ボーカロイドが歌うということを強く意識して作られている曲のように思えますね。
というか、この曲を人間が歌うのはあまりに難易度が高いと思うんだw
そして、これだけ変速的(誤字じゃないよ)な曲であるにも関わらず、
前奏から最後まで一貫してotetsu氏の作る巡音ルカ楽曲らしさが伝わるのは脱帽。
6.lost
164氏の曲はshingrayくらいしか聴いたことがなかったのですが、
こんな曲も作れるんですね。と思わず感心してしまいました。
アップテンポなバンドサウンドに惑わされてしまうけど、中々に歌詞が切ない。
本人はガチャガチャの汚いロックなんて言ってるけど、この曲は割りと嫌いじゃないかな。
予想外に良かった曲、という意味ではコレが1番かも知れない。
ドラムのシンバルの音が特に良い味を出しています。
基本常時鳴っているものだけど、ラストのサビの1回目だけ消えるところとか、
とても上手い曲の作り方だと思いましたねー。
7.DREAMA
週刊VOCALOIDランキング#110:20位
この曲のためにこのCDを買ったと言っても過言ではない1曲。
前奏のゆっくりなサビと、盛り上がる部分のサビの対比がたまりません。
くちばしP史上最高傑作だと個人的には思う。
曲調、歌詞の持つ世界観、ミクの調声、どれを取っても自分の好みど真ん中。
初めてこの曲を聴いた時には、誇張なしに全身が震えました。
本能的に良いと感じる曲に出会えると、心の中にストンと落ちてくるじゃないですか。
聴いてるだけで泣けてきたり、気づくと熱唱してたりなどなど、
人によって、曲によってそのカタチは違うとは思いますが。
これまで何百曲とボーカロイドオリジナル曲を聴いてきましたが、
この感触を最初に聴いた時に得た曲というのは本当にごく僅か。
あぁもう、この曲の良さを思う存分語り尽くせる語彙が自分にないのがすごく悔しい。
なんとも表現し難い、不思議な心地よさがあるのです。
8.君の全てを与えて
ノリの良いバンドサウンド的な曲の多いRe:nG氏ですが、
こういう落ち着いた曲も作れるんですねぇ。この人の引き出しの多さがよく分かる曲です。
ここまで様々な方向に激しい曲が続いていたので、一休み入れるにはちょうど良い1曲。
終始漂うふわふわと浮いているような感覚が不思議な1曲です。
9.脱げばいいってモンじゃない!
週刊VOCALOIDランキング#108:1位
まさに歴史的放送事故、ぼからんでついに1位を取っちゃったデPのターン!
この曲をぼからんにランクインさせてしまったsupernovaの罪は非常に大きいと思いますw
(この歌詞だし、CD収録がなければ恐らく除外されていただろうしね・・・)
いつものデッドボールな歌詞に心地よいメロディは相変わらず健在。
他の人が作るいわゆる「アレ」な曲にはない、
「アレ」なだけではなくて妙に現実的な辺りはまさにいつものデP。
10.ずれていく
週刊VOCALOIDランキング#108:2位
これまでこの人の曲をまともに聴いたことがあったのは「裏表ラバーズ」だけでした。
個人的には「裏表ラバーズ」を超えるものではないかと思うけど、なかなか良い感じ。
まさにDTM!打ち込み音楽!という感じのシンプルなメロディが、
ミクの声質に非常によく合っています。
メロディがループで成り立っているという点もそう感じさせる要素の1つでしょう。
11.clock lock works
週刊VOCALOIDランキング#113・114:1位
この人の曲は正直どれも好きになれなくて敬遠していたのですが、意外と悪くなかった。
解説によるとテーマは「働く」ことらしく、それを歯車と上手く掛け合わせた歌詞が印象的。
歌詞とメロディだけで十分に曲の世界を表現するこの人のセンスの良さは、
この曲にもよく出ていると思います。
が、ニコニコの動画は「歯車」を意識し過ぎててくどい感じがしたし、
ギターを持ってるミク?の映像は正直いらなかったと思う。
曲と歌詞だけでも十分「歯車」を表現した曲なのは分かるでしょ。
映像つきで見るよりも、曲単体で聴いた方が良い曲だと思えました。
12.Blindness
週刊VOCALOIDランキング#115:1位
今までまったく聴いたことのなかった人の曲でしたが、非常に良いです。
前奏のピアノから一気に引き込み、そのまま流れるようなメロディがとにかく秀逸。
その他にも流れをいきなりぶった切って入る間奏や、
微妙にセオリーを外しているのがド素人でもよく分かる音符の配置、
Aメロの自然な感じで歌われている歌に所々入る機械的なミクの声、
サビのミクとルカの掛け合い部分などなど。
例を挙げればキリがないですがとにかくセンスに溢れています。
こういう曲を作れる人って本当にすごいと思うんだ。
この人の作った他の曲も聴いてみたい。
そう思わせるだけの製作者のセンスの良さを感じた1曲でした。
13.Dancing男子!
サビのリズミカルなメロディが不思議と残る1曲。
クールにハイテンションなメロディが独特だなぁという印象が強いです。
ミクとルカの重なる部分の聴き心地がなかなかに良いです。
韻を踏んでいる歌詞は面白いとは思うんだけど、自分の好みとはちょっと違ったかなぁ。
14.うまい棒
相変わらずこの人はwwww これは本当のうまい棒の歌なんだろうか?
うまい棒でこんなことした人なんて普通に考えたらいないだろwwww
そして喋りが無駄に上手いという。これ歌の部分よりもある意味自然に聞こえるんじゃね?
まぁ、この曲の場合歌の部分にはあえて機械っぽさを残したような感じもするけど。
でも、機械っぽいのに早口な部分もそれなりに聴き取れるってすごくね?
15.ヘリオポーズ
卑屈Pの曲は久々に聴いたけど、この人ガチで曲作るとすごいんだね。
この壮大な感じはちょっと他の曲ではなかなか出せないと思う。
氏の言葉を借りるなら「宇宙ヤバイ。超ヤバイ」そんな感じ。まさにそのままな曲です。
また、supernovaというアルバムのタイトルやイラストにもっとも合った曲だと思います。
しかもコレ、初音ミクwikiで知ったんだけどボーカルはリンなんだね。
普通にずっとMEIKOだと思って聴いてたんですが。。。
リンでこんな声出せるんだね。それもまたすごいわ・・・
16.キミボシ
週刊VOCALOIDランキング#110:1位
40mPらしい自然体で存在感のあるミクの調声は健在。
いつも通りの安心して聞ける信頼の40メートルブランド(何)
この人の曲は無理に高音で盛り上げようとせず、狭い音域にまとめているのが好印象。
それでいて終始一貫している優しいメロディと、サビの広がりがたまりません。
身近にある素直な感情を素直に曲にすると、こういう曲になるんだろうなぁと思う。
1つ前のヘリオポーズが宇宙そのものの偉大さを歌った曲であるのに対し、
こちらはそんな宙を見上げてその神秘を歌った曲ですよね。この流れはまさにsupernova。
曲単体として見ても相応に良い作品でしたが、
1枚のアルバムとして見るとこの2曲の流れは非常に素晴らしいものがあると思う。
17.Starduster
週刊VOCALOIDランキング#107:4位
曲だけ見れば良くも悪くも、いつものジミーです。
が、正直に言ってしまうとこの曲はそこまで好きになれなかった。その理由は恐らく歌詞。
「愛を愛を」と連呼しているのに違和感を感じられずにはいられなかった。
なんというか、作らされているような印象がどうしても拭えなかったんだよね。
ジミーの曲ってのは壮大でありながらも身近で素朴な歌詞が受けていたと思うのに、
今回のStardusterはなんか無理矢理壮大に仕立て上げた感じがしてしまいました。
ヘリオポーズから続く宇宙を意識した曲の3連続は恐らく製作側も意図していたことだろうし、
それ自体は別にいいんだけど、その意図がここまで露骨に見えちゃうとちょっと・・・ね。
○まとめ○
知らない方もいて、全曲書き下ろしということもあり未知数な部分の多いアルバムでしたが、
フタを開けてみると予想以上に良い楽曲が多く期待以上の出来でした。
知らない人も多いし1/3くらいはハズレ曲も覚悟していましたが杞憂でした。
お気に入りを挙げるならまず「DREAMA」が別格。
自分的には全てのボカロ曲の中でも5本の指に入っておかしくないレベル。
他も非常に良かったので甲乙付けがたいのですが、しいて次点を挙げるなら
「向日葵」「Blindness」「キミボシ」辺りでしょうか。
意表を突かれた良い曲としては「lost」や「ヘリオポーズ」などですね。
既知の人と未知の人という点だけでなく、
1曲目のR-18を筆頭に、普段とは逆の作風で作ってみたと思われるものと、
キミボシなどのいつものその人らしい安心して聴ける曲とのバランスがよかったですね。
そういった点も含め、非常に層の広いアルバムに仕上がっているように思えます。
たまには普段聴かない人の曲を聴いてみるのも悪くないと思わせてくれる、
ボーカロイド楽曲の新たな広がりを垣間見ることのできた1枚でした。
Dramatic my story 偽りのステージ
見えない壁の向こう側
さわれない影と創りあげたもの
どんな華が咲くのだろう
Dramatic my lover 最高のステージ
積もる過ちのなかで
形のない君が伝えた言葉
どんな意味があろうのだろう
DREAMA / tetsuo(くちばし)
●オマケ:先週発売されたVocalolegendについて●
正直買うかどうか迷ってたんですが、これは見送ることになりそうです。
確かに星屑ユートピアやSPiCa、裏表ラバーズなどは好きだしCDで聴きたいとも思う。
それにStargazeR、ストラトスフィアといった好きな曲の新アレンジに、
忘れちゃいけない新SuperDeadballBeatも聴きたいけどね。
ただ、好きな人には悪いけど正直上記の曲以外があまりにもどうでもよすぎて・・・
よっこらせ(笑)なんてハッキリ言って聴きたくない曲の筆頭だし、
最近流行りの羅刹ト骸とか1925も心底どうでもいいしなぁ。
悪ノシリーズも周りが囃し立てすぎてる感じが好きじゃなくてどうにも入り込めないし、
以前Prismのレビューでも書いたけど、ジェミニもラップ部分の不自然さがどうも好きになれなかった。
まぁこの辺はCD化にあたり再調整している可能性もありますが・・・。
今回レビューしたsupernovaと違って全部聴いたことのある曲だし、新鮮味はないんだよね。
1/3はどうでもいい曲だと思うと、わざわざ買いたいって意欲はあまり出てこないのが正直なトコロ。
MP3配布のされていないSPiCaやSDBは特に惜しいけどね。。。
まぁそんなわけで、これまでの自分の購入履歴なら買うだろう1枚ですが、
今回は見送ることにした次第です。買わない以上レビューは書かないと思うので、
やや場違いだけどここにその経緯を書き記しておきました。
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