「文学少女」のコミカライズ第2弾となるこの作品。
こちらもだいぶ前に買ってはいたのですが、
読み終えたのはつい最近になってしまいました。
先日日記にも書いた「死にたがりの道化」の2巻と、
買ったのは同じ日だったのですが。。。
ちなみにあっちは原作通りに話が展開されているので
原作未読者でも楽しめるようになっているけど、
コレは完全に原作既読者向けのマンガですね。

内容は既に作家活動をしている心葉が高校での出来事を思い起こすというもの。
その回想シーンを中心とした一話完結の短編集という形式になっています。
そして、回想シーンで描かれている内容はかつてFB Onlineで公開され、
現在では「恋する挿話集」で読むことのできる「文学少女の今日のおやつ」
という短編シリーズを元にして作られているものです。

そのため、容赦のない本編に関わるネタバレが次々とやってきます。
(というか上記の「既に作家活動をしている心葉」というのも物凄いネタバレだし)
なので万人には勧められないし、敷居が高いのは否めません。
が、原作も「今日のおやつ」も読んだ人にとっては面白いのではないかと。
と硬い話はここまでにして読んでの感想を。



まずメインとなる「今日のおやつ」の回想シーンはけっこう忠実でしたねー。
ページ数の関係からか多少端折ってるようにも思えるけど、
致命的な違和感を感じることもなく、スラスラと読み進めることができます。

また、各話で心葉が書く三題噺をミニドラマ風に描いていて、これが地味に面白い。
心葉の書くとんちんかんな話を絵にした場合のイメージがかなりし易いです。
あと、それを食べて悶絶する遠子先輩の言っていることとも意外と合致します。

回想シーンがメインとあって、全体としてはコメディ色の強い作風になってはいますが、
回想を終えた現在の、作家としての心葉が断片的に描かれているのも良いですね。
高校を卒業し、狭き門をくぐった心葉がどういう作家になろうとしているのか。
それを「想像」するには必要にして十分な量の描写が非常にいい感じ。
あと、心葉の仕事場で助手っぽい働きをしている人(原作通りなら舞花?)
とのやりとりが地味に面白かったり。

そしてもう1つ面白いと感じたのは、各話の後にある元ネタとなった作品の解説コーナー。
デフォルメ化した文学少女の主要キャラによる寸劇を交えて解説してくれています。
マンガとして楽しむだけでなく、元ネタとなったお話への知識もある程度与えてくれます。
なかなかに憎い構成・演出だと思います。
でもこの寸劇、色んな意味で美羽の描写だけが酷い。
もうちょっとどうにかならなかったのだろうかw




原作の良さを活かしつつ、活字だけでは伝えにくい部分を絵で補っている
という点に関しては原作準拠のコミック版道化に通じる部分はありました。
しかし、原作とは違った視点で描かれている点やデフォルメキャラによる元ネタ本解説など、
原作ともコミック版道化とも違ったアプローチの仕方が面白いですね。
冒頭にも書いたように原作既読じゃないと置き去りにされる感じは否めないですが、
自分としてはかなり楽しめた1冊でした。
「こんなコミカライズの仕方もあるのか」と素直に感心させられた作品です。
今月末には早くも2巻が出るようなので、続きも買いたいですねー。



●余談●
劇場アニメ化記念の「美味しい贈り物キャンペーン」に
応募しなきゃしなきゃと思ってはいたものの、案の定忘れましたww
映画を観る気はあまりなかったもののB賞の方が欲しかったのに・・・
対象となる書籍は全部買ってたから2口応募できたのになぁ。
早くやっとかないと絶対忘れることは分かりきってたのに、このザマですよwww


それはそうと劇場版の情報が次々と出てきています。
公式の監督インタビューいわく話のベースとなるのは原作5巻の巡礼者のようで、
そこから遠子の本質にまで立ち入っていくとのこと。
5巻をベースに全体を見せるとなると・・・個人的な想像の域は出ないですが、
原作巡礼者でははぐらかした「青空に似ている」の初稿関係をハッキリさせる気がします。
原作だと本編最終巻のエピローグまで明かされなかった部分を、
何らかの形でそれが明かされるように書き換える気がします。

今のところわざわざ映画を観にいくつもりはないんだけど、
こうして日記に書いてしまうとやはり気になる。。。
上映館が増えて割と近くの映画館でもやることになったみたいだし、どうするかなぁ。。。

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