さよならピアノソナタ <シリーズ>
2010年5月19日 読書
恋と革命と音楽の物語「さよならピアノソナタ」
ネット上の評判が良かったことと、
表紙の絵柄&タイトルに惹かれて買っていた本作。
だいぶ前に1巻だけ読んで2巻以降をずっと積んでいましたが、
今月はじめに2巻を読み始めたところすっかりはまってしまいました。
それで先日最後まで読破してしまいました。
1つの作品を続けて一気に読んだのは久しぶりでしたね。
せっかくなので思ったことを少しまとめてみたいと思います。
<以下は1巻だけでなく作品全体に関する内容です。未読の場合はご注意を>
内容はタイトルからは想像もつかなかったけど高校生ロックバンド部のお話。
主人公ナオとヒロイン真冬(表紙の人)の恋愛模様が、
彼らが組むことになったバンドの活動を通して描かれていく、そんなお話。
ダラダラと無駄に長く話を続けず本編4巻+後日談1巻の5冊で、
しっかり話がまとまっているのが良かったですね。
起承転結がそれぞれ1冊ずつで描かれており、読む側としては非常に分かりやすい。
加えて1冊ごとに春夏秋冬と季節が巡り、ほぼ1年間の出来事を描いています。
1巻が出会いの春、2巻がバンド活動が本格化する夏休みの合宿、
3巻が合唱コンクール・体育祭・文化祭と新キャラ登場な秋、
そして4巻が物語が完結へ向かう冬、といった具合に。
季節感と起承転結が1冊ごとにリンクしているシンプルな構成なんですね。
3巻だけは正直詰め込みすぎな感じがありましたが、
それを除けばとても読みやすく良い構成だったように思えます。
また、作品全体を通して音楽の専門用語などがてんこ盛りです。
専門用語だけでなく、実在の楽曲や作曲家・ミュージシャンの名前もたくさん出てきます。
そのうちの8割以上は知らない自分としては最初はややとっつきにくさを感じたものの、
文章からそれぞれの音楽がどのようなものなのかがなんとなくでも感じられて、
慣れてくると文字による音楽の表現にどっぷり漬かってしまっていました。
山のように出てくる音楽用語を苦労せず受け入れることができるのは、
文章の上手さもあるのだろうけど、分かりやすい構成があってこそな気がしました。
ちなみにこれは深読みしすぎかも知れないけど、
バンドが4人組なのも少なからずそこを意識していた気がします。
(3巻から出てきたユーリには大変申し訳ないですがw)
登場人物を見るとバンドメンバーがみんな主人公のことが好きで、
当の本人はそれをまったく自覚していない超鈍感君で、なおかつヘタレ。
という現実じゃまず有り得ないけどライトノベるじゃよくあるパターン。
ただ、3人それぞれに「好き」の在り方の違いのようなものが見えて、
そこまでこの「よくあるパターン」は気になりませんでした。
というかコレを気にしてたらライトノベルなんて読めないし。
3巻までは普通の面白い作品として読んでいたけど、4巻の後半は不覚にも泣けました。
さすがに最終巻のネタバレなので自重して反転(白文字)にしておきます↓
我ながら痛い文章なのでそういった意味でも要注意。
クリスマスのライブの出番直前のシーン(269ページ)の
数行が一番グッときて、涙腺崩壊しましたね。
「行っても行かなくても後悔するに決まってる」という状況であの選択。
「真冬の戻ってくる場所をきちんと用意しておく」というナオの決意。
そして真冬が長期間日本を離れることにした本当の理由、
それはもう一度ギターを弾くためだということを2人に伝える。
そして次のページのステージに向かう2人の後姿という挿絵。
作り話だとは当然分かっているんだけど、不思議と入り込んでしまいました。
最後までずっと言葉足らずで優柔不断のヘタレ野郎だったナオが、
最後の最後に見せた男らしさだったように思えます。
ここから先はもう翌朝早いのに夜中一気に読み通してしまいました。
その後のライヴ本番、空港での別れ、卒業式。
どうしようもないくらい切なくてどうしたらいいのでしょう??
そして最後の最後の再会。
お互い分かっているのに、一歩踏み出せなくてずっと言えずにいた「好き」という言葉。
この一言がずっと出てこなかったのは演出と分かっていてももどかしかったので、
最後の最後で「やっと言ったか・・・!」と思わず頷いてしまいました。
そしてまた涙腺崩壊するわけです
あと、その最終章(=18章)のタイトルは1巻の第1章、そして第18章と同じもの。
ナオと真冬の出会いの場所、ナオが恋に落ちた場所、そして再会の場所。
そんな場所に付けられた「世界の果ての百貨店」というタイトル。
1巻を読んだ時にもありきたりだけどセンスを感じる付け方だと感じたけど、
それを最後の最後に三度持ってくるとは。しかも1巻の2回目と同じ18章というね。
これは憎い演出。
それと、再会の日が出会った日からちょうど2年になるのもまた、たまりません。
以上、ネタバレを自重しない自己満独白終了。
とまぁ色々と書きなぐりましたが、要するに何を言いたいかというと、
とにかく真冬がかわいい
ってことです。おっといけないつい本音が。
今まであーだこーだ書き並べてたこと全部否定しかねない結論じゃねーかwwww
でもまぁナオと出会って、それまでの生活では考えられないようなバンド活動
に合宿や海水浴、ランニングにお菓子作りに微量のお酒など
などの経験を通して成長し、ピアノを取り戻していく真冬の姿を追うのは、
非常にもどかしく小説的で面白かったです。
最初は「なんだこのワガママ娘wwww」って感じだったんだけどね。
その裏にある健気さや分かりやすい恋心に気づくと180度読み方が変わります。
もちろん神楽坂先輩や千晶、ユーリの存在も大きいのは事実ですが、
やはりこの作品は真冬がいないと成り立たないのでしょうね。
それだけに、ナオのヘタレ鈍感っぷりは余計にイライラしてしまうわけです。
昔はいわゆる「ツンデレ」なんてウザいだけだったのになぁ。
最近特にツンデレに対しては弱くなってる気がしてなりません。
と、そんな事を感じながら読んだ本シリーズでした。
ネット上の評判が良かったことと、
表紙の絵柄&タイトルに惹かれて買っていた本作。
だいぶ前に1巻だけ読んで2巻以降をずっと積んでいましたが、
今月はじめに2巻を読み始めたところすっかりはまってしまいました。
それで先日最後まで読破してしまいました。
1つの作品を続けて一気に読んだのは久しぶりでしたね。
せっかくなので思ったことを少しまとめてみたいと思います。
<以下は1巻だけでなく作品全体に関する内容です。未読の場合はご注意を>
内容はタイトルからは想像もつかなかったけど高校生ロックバンド部のお話。
主人公ナオとヒロイン真冬(表紙の人)の恋愛模様が、
彼らが組むことになったバンドの活動を通して描かれていく、そんなお話。
ダラダラと無駄に長く話を続けず本編4巻+後日談1巻の5冊で、
しっかり話がまとまっているのが良かったですね。
起承転結がそれぞれ1冊ずつで描かれており、読む側としては非常に分かりやすい。
加えて1冊ごとに春夏秋冬と季節が巡り、ほぼ1年間の出来事を描いています。
1巻が出会いの春、2巻がバンド活動が本格化する夏休みの合宿、
3巻が合唱コンクール・体育祭・文化祭と新キャラ登場な秋、
そして4巻が物語が完結へ向かう冬、といった具合に。
季節感と起承転結が1冊ごとにリンクしているシンプルな構成なんですね。
3巻だけは正直詰め込みすぎな感じがありましたが、
それを除けばとても読みやすく良い構成だったように思えます。
また、作品全体を通して音楽の専門用語などがてんこ盛りです。
専門用語だけでなく、実在の楽曲や作曲家・ミュージシャンの名前もたくさん出てきます。
そのうちの8割以上は知らない自分としては最初はややとっつきにくさを感じたものの、
文章からそれぞれの音楽がどのようなものなのかがなんとなくでも感じられて、
慣れてくると文字による音楽の表現にどっぷり漬かってしまっていました。
山のように出てくる音楽用語を苦労せず受け入れることができるのは、
文章の上手さもあるのだろうけど、分かりやすい構成があってこそな気がしました。
ちなみにこれは深読みしすぎかも知れないけど、
バンドが4人組なのも少なからずそこを意識していた気がします。
(3巻から出てきたユーリには大変申し訳ないですがw)
登場人物を見るとバンドメンバーがみんな主人公のことが好きで、
当の本人はそれをまったく自覚していない超鈍感君で、なおかつヘタレ。
という現実じゃまず有り得ないけどライトノベるじゃよくあるパターン。
ただ、3人それぞれに「好き」の在り方の違いのようなものが見えて、
そこまでこの「よくあるパターン」は気になりませんでした。
3巻までは普通の面白い作品として読んでいたけど、4巻の後半は不覚にも泣けました。
さすがに最終巻のネタバレなので自重して反転(白文字)にしておきます↓
我ながら痛い文章なのでそういった意味でも要注意。
クリスマスのライブの出番直前のシーン(269ページ)の
数行が一番グッときて、涙腺崩壊しましたね。
「行っても行かなくても後悔するに決まってる」という状況であの選択。
「真冬の戻ってくる場所をきちんと用意しておく」というナオの決意。
そして真冬が長期間日本を離れることにした本当の理由、
それはもう一度ギターを弾くためだということを2人に伝える。
そして次のページのステージに向かう2人の後姿という挿絵。
作り話だとは当然分かっているんだけど、不思議と入り込んでしまいました。
最後までずっと言葉足らずで優柔不断のヘタレ野郎だったナオが、
最後の最後に見せた男らしさだったように思えます。
ここから先はもう翌朝早いのに夜中一気に読み通してしまいました。
その後のライヴ本番、空港での別れ、卒業式。
どうしようもないくらい切なくてどうしたらいいのでしょう??
そして最後の最後の再会。
お互い分かっているのに、一歩踏み出せなくてずっと言えずにいた「好き」という言葉。
この一言がずっと出てこなかったのは演出と分かっていてももどかしかったので、
最後の最後で「やっと言ったか・・・!」と思わず頷いてしまいました。
あと、その最終章(=18章)のタイトルは1巻の第1章、そして第18章と同じもの。
ナオと真冬の出会いの場所、ナオが恋に落ちた場所、そして再会の場所。
そんな場所に付けられた「世界の果ての百貨店」というタイトル。
1巻を読んだ時にもありきたりだけどセンスを感じる付け方だと感じたけど、
それを最後の最後に三度持ってくるとは。しかも1巻の2回目と同じ18章というね。
これは憎い演出。
それと、再会の日が出会った日からちょうど2年になるのもまた、たまりません。
以上、ネタバレを自重しない自己満独白終了。
とまぁ色々と書きなぐりましたが、要するに何を言いたいかというと、
とにかく真冬がかわいい
ってことです。
でもまぁナオと出会って、それまでの生活では考えられないようなバンド活動
に合宿や海水浴、ランニングにお菓子作り
などの経験を通して成長し、ピアノを取り戻していく真冬の姿を追うのは、
非常にもどかしく小説的で面白かったです。
最初は「なんだこのワガママ娘wwww」って感じだったんだけどね。
その裏にある健気さや分かりやすい恋心に気づくと180度読み方が変わります。
もちろん神楽坂先輩や千晶、ユーリの存在も大きいのは事実ですが、
やはりこの作品は真冬がいないと成り立たないのでしょうね。
それだけに、ナオのヘタレ鈍感っぷりは余計にイライラしてしまうわけです。
昔はいわゆる「ツンデレ」なんてウザいだけだったのになぁ。
最近特にツンデレに対しては弱くなってる気がしてなりません。
と、そんな事を感じながら読んだ本シリーズでした。
○まとめ○
・1冊ごとに起承転結や季節感がハッキリしていて構成が分かりやすい
・山のように出る音楽用語や楽曲、ミュージシャンなどは読むのに多少慣れが必要?
・4巻の後半で涙腺崩壊
・ヒロイン真冬がとにかくかわいい
・主人公ナオのヘタレ鈍感っぷりにはイライラw
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