こっち向いて Baby / Yellow
2010年7月23日 VOCALOID-CD●収録曲●
<Disc1>
1.こっち向いてBaby
2.Yellow
3.ブラック★ロックシューター 2M MIX
4.I Wanna Be Your World
5.こっち向いてBaby(instrumental)
6.Yellow(instrumental)
<Disc2(DVD)>
1.こっち向いてBaby
2.Yellow
Project DIVA 2nd公式サイト
【http://miku.sega.jp/pjd2/index.html】
*2010年7月26日付オリコンシングル週間ランキング9位
ryoとkzのスプリットシングルだなんて・・・これは買わない理由がありません。
というわけで発売からは約1週間遅れだったものの先日買ってきました。
もうすぐ発売になる「初音ミクーProject DIVA 2ndー」のテーマソング2曲のCDです。
レビュー待ちのアルバムがまだ3枚もあるけど、
シングルだし先にさくっと終わらせてしまおうと思います。
○Disc1○
1.こっち向いてBaby
うーん、期待値がそれなりに高かったせいか正直に言うと微妙でした。
なんというか・・・曲の対象年齢が低いんだろうなぁ。
ryo氏は元々こういう中二的な歌詞を書く人なのは分かってたけど、
今回はDIVAのテーマ曲ということもあってか、それがより顕著だったように思えます。
ワールドイズマイン的なツンデレ歌詞ってどうも受け付けないんですよね。
良くも悪くもガキっぽい曲で、それが良い人には良いんだろうけど自分的には微妙でした。
ただ、ミクの声の出し方はニコ動上のメルトの頃から比べると格段に良くなったと思う。
初期の頃と比べると、発音の自然さや感情の乗せ方がかなり上手くなったよなぁ。
あとドラムとギターだけと思われるシンプルな演奏はryoらしくて非常に好きです。
2.Yellow
前奏を聞いてすぐ、一発で分かります。これは間違いなくkzの音楽だ。
特に副旋律の持つ煌きは非常に彼らしい曲のつくりです。
気づくと口ずさんでしまう不思議な魅力を持つ曲です。
この人の創る音楽は本当に誰にも真似できないですよね。
最初にこの曲を聴いたときは、本当に言葉が出ませんでした。
歌詞や演奏、ミクの調声と何をとっても素晴らしい。
この感動を上手く表現する語彙を持ち合わせていないのが残念ですが、
これだけは言えます。Yellowはガチだ。
3.ブラック★ロックシューター 2M Mix
これは良いアレンジ。「こっち向いてBaby」よりもこっちの方がよっぽど大きな収穫でした。
オリジナルの良さを損なうことなく、演奏をシンプルにして透明感を高めた感じがします。
ピアノとドラムが中心という初期のメルトのようなシンプルさも、
曲全体の透明感を引き出すのに一役も二役も買っているのかと。
楽器の数が減ったせいかオリジナルよりもドラムがかなり存在感を出していますね。
元々好きな曲だったけど、このアレンジの方がryoの魅力をより引き出せているように思う。
あとさり気に発音もかなり良くなっていますね。最初に聴いて何か違和感があると思ったら、
「ブラックロックチューター」に聴こえなかったことでしたw
4.I Wanna Be Your World
月並みな表現だけれど「Last night, Good night」を思わせる壮大なスケールの曲。
初音ミクの楽器としての特性を最大限に発揮できている1曲に仕上がっていると思います。
それでいて「Packaged」のように「僕」が「君」を思う歌。
「機械」や「電子」といったボーカロイドを連想させる言葉を一切用いていないのに、
ボーカロイドが歌う曲だと強く感じさせられます。
楽器であることと同時に、その中に自我をも感じてしまうような1曲。
もちろんこれは表題曲「Yellow」にも言えること。
これこそがkz楽曲最大の持ち味と言えるのではないだろうか。
彼の曲を聴くと毎回感じることだが、その中でもこの曲については特に強く思った。
この曲は人間が歌ってはいけない。「初音ミク」が歌うことで初めて成立する曲だ。
○Disc2(DVD)○
1.こっち向いてBaby
正直に言おう、絶望した。 ガッカリとかそういう感情を通り越して絶望した。
こういう表現は適切でないことは承知の上であえて言おう。
「けいおん!!」のOPでも観てるのかと思ったよ。
学生服着たミクとかが教室から飛び出して校舎の屋上で演奏するって流れなんだけどさ。
これまんま放課後ティータイムじゃねーか
まぁボカロのキャラ設定上年齢的に間違いではない気もするけどさ、
勝手にボーカロイドをアニメのキャラにしてんじゃねーよ。
不満や怒りよりも先に、映像観た瞬間になんか悲しくなっちゃったよ。
ボーカロイドを楽器としての側面に重きを置いている自分には違和感しかありませんでした。
確かに映像としてはキレイだったし、よく動くし出来はいいんだと思うよ。
キャラゲーとしてのProject DIVAをよく表現しているとも思ったよ。
でも、それだけだ。それは別に魅力でもなんでもない。
ぁ、でもたこルカは可愛かったですw
ただね、それが今の世間が求めているボーカロイドの姿だってのもわかるんだ。
自分の考え方がごく少数派で、きっとこの絶望を共感できる人はあまりいない、
それも分かっちゃうから余計に哀しいんだよね。
2.Yellow
こっち向いてBabyの映像に絶望した後に観た分だいぶ良かったように感じられました。
この曲の持つ神秘的な、それでいて身近に感じられる雰囲気をよく表現していたと思います。
ただ、この人の曲の持つ表現力はどの曲も半端じゃない。今作ももちろん半端じゃない。
映像なんてなくても演奏と歌だけで十二分にその世界をイメージできてしまうんだ。
そう考えると、元々この人の曲には映像なんて必要ないんだよね。
曲だけでイメージ出来るのに更に映像で補ってしまうのは、演出過剰に思えたのも事実です。
まぁ、曲云々は置いといて映像だけで観れば普通に良い作品だとも思ったけどね。
○まとめ○
こっち向いてBabyについては我ながらキッツイことを書きましたが、
kzさんの2曲やブラック★ロックシューター2M MIXは非常に良かったです。
こっち向いてBabyも自分の好みとは違っただけで曲は別に悪いとは思わないんですよ。
でも、だからって別にryoさんが嫌いなわけでは当然ありません。
今回のCDをsupercell名義でなく、ryo名義で出したことも個人的には嬉しかったし。
良いことも嫌なことも、たくさん感じたCDでした。
そんな気持ちをすぐさま書いておきたいと思ったのは久しぶりでしたね。
そういう意味では物凄く熱いものが込められている1枚なんだと思います。
好き嫌いはさて置き、ものすごいパワーを持ったCDだったのは間違いないでしょう。
●オマケ●
今回の記事はシングルだし本当にさくっと30分くらいで終わらせるつもりでいたんですよ。
なのに気づけばいつも通りしっかり2時間半4000文字コースって一体どういうことなの!?
別に今更レビューのスタイルを曲げるつもりもないけれど、
こんなクソ長い(しかも割と酷評な)レビュー記事なんて一体誰が読むんだろうなぁ?(汗)
君の笑顔取り戻す為
何度でも僕は歌を止めない
いくつもの夜を越え
この願いかなうその日まで
Yellow / kz
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