文学少女の元ネタを読んでみよう!
という自分の中での思いつき。
2冊目は武者小路実篤の「友情」を読んでみました。
文学少女本編3冊目の「繋がれた愚者」の題材となった1冊です。
先日この本を読んでいることは書いたけど、早くも読み終わりました。
そこまで長くもなく、内容もとっつきやすかったので、
思いのほか短期間で読み終わることができました。
読んでみた率直な印象としては、まずとにかく読みやすい。
手元にある1冊は平成15年に改版されているみたいだから、
多少現代語的に書き換えられている部分もあるのだとは思う。
でもそれを差し引いても1920年、今から90年も前に書かれたものとは思えないくらい。
時代が違うだけあって当然描写に古さは感じるのだけれど、
それと同じくらい現代においても在り得る、ある意味身近なもののように感じられました。
内容は一言で言ってしまうならいわゆる「三角関係」の恋愛もの。
主人公の野島が好きになった杉子への片思いを、親友の大宮に相談しながら続ける。
でも杉子が好きになったのは親友の大宮の方で、
大宮もまた野島の相談を受けているうちに杉子に惹かれていってしまう。
そんな恋愛模様を描いた青春時代を過ごす若者たちの物語。
概要だけを淡々と書くとこんな感じで、実にドロドロの愛憎劇に思えてしまいます。
が、実際は不思議なことにそういった血生臭さはまったく感じられませんでした。
実に充実た楽しい、それでいて甘酸っぱい青春の1ページを読んでいるという感じです。
上篇では野島の周辺で起こった出来事を中心に出来事を事細かに描写していて、
とにかく好きな人の身近にいれる幸せを噛み締める野島が印象的。
まったく不安を感じさせず、安心して続きを読める楽しい展開でしたね。
この恋がどう進んでいくのかと気になって仕方がない。
結末は知っているのに自然とページも進んでいきました。
恋をするとこんな風になるよなぁ、ってしみじみ感じながら(笑)
それに対し下篇では杉子と大宮の手紙のやり取りだけをただ載せるだけ。
その中で上篇でほのめかされていた思いの真相が明らかになっていく。
やり取りは淡々と進むのに、その中で杉子の大宮に対する気持ちがひしひしと伝わってくる。
杉子もまた、野島の杉子への思いと同じくらい強く、大宮のことを想っていたわけで。
それはそれは非常に微笑ましく感じられる。
同時に大宮の葛藤する様子にもまた感情移入してしまう。
恋愛と取るか友情を取るか、
でもやっぱりこれは野島の物語なんだなと、最後にもう1度実感する。
最後の最後、大宮と杉子の手紙のやり取りを野島は知るわけで。
このやり取りを知った後の野島の行動はほんの2,3ページしか描かれていない。
にも関わらず、そのたった2,3ページで全てを表現できていたと思う。
彼の味わっただろう痛みや寂しさ、絶望がすごくリアルに伝わってきた。
そんな結末はちょっと哀しいけれど、後味は何故か心地良かったからなお不思議。
大宮と杉子の幸せな生活と同時に、絶望してそれで終わりにしないで、
そこから立ち上がろうとする野島の描写まであったからでしょうか?
そんなことを感じた1冊でした。
思わず読み終わってすぐに自分の状況に置き換えて考え込んでしまいました。
仮に自分が好きだった人が仲の良かった友人と昔からずっと想い合っていて、
仮に結婚することになったとしたら自分は素直に祝福できるのだろうか?と。
その回答はまだ出ませんが、きっとこの先ずっと出ないような気もしますw
「恋は盲目」という言葉は、つくづく真理だとこの本を読んで感じました。
そういった恋愛の本質をスリムに、淡々と描いているのがこの本なんだと思います。
きっと本質を語るには必ずしもこの日記みたく長々と書く必要はないのでしょう。
この本の野島と自分が重なる部分がたくさんあって、
思わず色々と思い起こしてしまいました。
文学作品に影響を受けるという感覚がこれまでどうも分からなかったのですが、
きっとこういうことを言うのだと想います。
自分の場合身近に感じたのは野島だったけど、
人によっては大宮だったり杉子だったりするのでしょう。
もっと早くに出会っていれば、自分の人生も少し変わってたかも知れないなぁ。
でも、今こうして出会えたのだから、それもまぁ幸運なのでしょう。
なんか感想として書くと色々とまとまらなくておかしな文章だとは自分でも思う。
でも、思ったことをそのまま書いてみたらこうなったので仕方ないw
名作として語り継がれるだけあって色々考えさせてくれる物語でした。
あ、それと文学少女の「愚者」を読み返してみたくなったのは当然言うまでもなくw
という自分の中での思いつき。
2冊目は武者小路実篤の「友情」を読んでみました。
文学少女本編3冊目の「繋がれた愚者」の題材となった1冊です。
先日この本を読んでいることは書いたけど、早くも読み終わりました。
そこまで長くもなく、内容もとっつきやすかったので、
思いのほか短期間で読み終わることができました。
読んでみた率直な印象としては、まずとにかく読みやすい。
手元にある1冊は平成15年に改版されているみたいだから、
多少現代語的に書き換えられている部分もあるのだとは思う。
でもそれを差し引いても1920年、今から90年も前に書かれたものとは思えないくらい。
時代が違うだけあって当然描写に古さは感じるのだけれど、
それと同じくらい現代においても在り得る、ある意味身近なもののように感じられました。
内容は一言で言ってしまうならいわゆる「三角関係」の恋愛もの。
主人公の野島が好きになった杉子への片思いを、親友の大宮に相談しながら続ける。
でも杉子が好きになったのは親友の大宮の方で、
大宮もまた野島の相談を受けているうちに杉子に惹かれていってしまう。
そんな恋愛模様を描いた青春時代を過ごす若者たちの物語。
概要だけを淡々と書くとこんな感じで、実にドロドロの愛憎劇に思えてしまいます。
が、実際は不思議なことにそういった血生臭さはまったく感じられませんでした。
実に充実た楽しい、それでいて甘酸っぱい青春の1ページを読んでいるという感じです。
上篇では野島の周辺で起こった出来事を中心に出来事を事細かに描写していて、
とにかく好きな人の身近にいれる幸せを噛み締める野島が印象的。
まったく不安を感じさせず、安心して続きを読める楽しい展開でしたね。
この恋がどう進んでいくのかと気になって仕方がない。
結末は知っているのに自然とページも進んでいきました。
恋をするとこんな風になるよなぁ、ってしみじみ感じながら(笑)
それに対し下篇では杉子と大宮の手紙のやり取りだけをただ載せるだけ。
その中で上篇でほのめかされていた思いの真相が明らかになっていく。
やり取りは淡々と進むのに、その中で杉子の大宮に対する気持ちがひしひしと伝わってくる。
杉子もまた、野島の杉子への思いと同じくらい強く、大宮のことを想っていたわけで。
それはそれは非常に微笑ましく感じられる。
同時に大宮の葛藤する様子にもまた感情移入してしまう。
恋愛と取るか友情を取るか、
でもやっぱりこれは野島の物語なんだなと、最後にもう1度実感する。
最後の最後、大宮と杉子の手紙のやり取りを野島は知るわけで。
このやり取りを知った後の野島の行動はほんの2,3ページしか描かれていない。
にも関わらず、そのたった2,3ページで全てを表現できていたと思う。
彼の味わっただろう痛みや寂しさ、絶望がすごくリアルに伝わってきた。
そんな結末はちょっと哀しいけれど、後味は何故か心地良かったからなお不思議。
大宮と杉子の幸せな生活と同時に、絶望してそれで終わりにしないで、
そこから立ち上がろうとする野島の描写まであったからでしょうか?
そんなことを感じた1冊でした。
思わず読み終わってすぐに自分の状況に置き換えて考え込んでしまいました。
仮に自分が好きだった人が仲の良かった友人と昔からずっと想い合っていて、
仮に結婚することになったとしたら自分は素直に祝福できるのだろうか?と。
その回答はまだ出ませんが、きっとこの先ずっと出ないような気もしますw
「恋は盲目」という言葉は、つくづく真理だとこの本を読んで感じました。
そういった恋愛の本質をスリムに、淡々と描いているのがこの本なんだと思います。
きっと本質を語るには必ずしも
この本の野島と自分が重なる部分がたくさんあって、
思わず色々と思い起こしてしまいました。
文学作品に影響を受けるという感覚がこれまでどうも分からなかったのですが、
きっとこういうことを言うのだと想います。
自分の場合身近に感じたのは野島だったけど、
人によっては大宮だったり杉子だったりするのでしょう。
もっと早くに出会っていれば、自分の人生も少し変わってたかも知れないなぁ。
でも、今こうして出会えたのだから、それもまぁ幸運なのでしょう。
なんか感想として書くと色々とまとまらなくておかしな文章だとは自分でも思う。
でも、思ったことをそのまま書いてみたらこうなったので仕方ないw
名作として語り継がれるだけあって色々考えさせてくれる物語でした。
あ、それと文学少女の「愚者」を読み返してみたくなったのは当然言うまでもなくw
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