ワタクシ的にいま1番ホットな作品。
「ココロコネクト」の最新刊が出ました!
ということで昨日発売日にゲットし、
さっそく今日1日使って読みふけりました。
今回もたいへん良かったです。
非常に楽しめた1冊でした♪



以下軽いネタバレを含みます。未読時要注意









今回の現象は他人の夢(大小様々な願望)がランダムに見えてしまう「夢中透視」
時期が高校2年の秋ということで、進路調査や修学旅行といったイベントがメイン。
そこに今回の現象が加わり、5人がそれぞれに葛藤していく姿を描いています。
「進路をどうするか」という問題はほとんどの高校生にとっては避けて通れないものであり、
それを通じて自分のやりたいことや在り方を考えるのは、
やはり誰しもが通った青春の悩みの1つなのではないでしょうか。
そんな思春期の悩みと「(広い意味での)夢」にまつわる超常現象。
これまでの例に漏れず、超常現象とリアルな悩みのくっつけるのが上手ですね。

また、新入部員2人を加えても、彼らはあくまでも脇に置いていて、
あくまでも2年生5人の「ペンタゴン・コメディ」を貫いていると感じられました。
この辺りがシリーズを通しても常に一貫しているのがたいへん好感触です。


今回はこれらの現象&イベントを通じて、
主人公八重樫太一の自分探しの物語が展開されていきます。
言うなれば「自己犠牲野郎」突破のための物語。
これまで語り部的な視点で、他のメンバーの成長のきっかけとなることが多かった太一。
そんな彼自身の在り方にようやく踏み込んだお話となりました。
これまでキズランダムの稲葉やカコランダムの青木、
ミチランダムの伊織とそれぞれ個々に踏み込んだ話がありましたが、
太一の内側にここまで踏み込んできたのは今回が初めてではないでしょうか。

ただ、これまでの格好いい状態はどこへやらな圧倒的小物感には思わず苦笑い。
やってることが方向性の違いはあれどニセランダムの千尋君そのまんまでした。
読み手という第三者的視点で見れば泥沼にはまってしまっているのが、
滑稽なほど分かりやすい状況なのに当事者となるとそれも見失ってしまうんだろうなぁ。
流されて周りが見えなくなってというのは分からないでもないのですが、
それでいいのか先輩!?って感じではありました(笑)


あとは今回は後半の挿絵が素晴らしいです。
331ページの白稲葉んはマジで傑作だと思うw
あとは305ページの青木と唯とか273ページの伊織とか、
場面は正反対なのにどちらもそれぞれに作品の絵に合っていてもうたまらんです。

本シリーズの挿絵は総じてそこまで露骨にあざとくなく、
なおかつ作品の雰囲気にすごく合っていて良いと思います!
まぁ「けいおん!」っぽいのは間違いなく事実だけど、
それだけで切り捨てちゃうのには勿体無い魅力のある絵に仕上がってると思いますね。


それから今回も藤島さんのキャラの濃さが尋常じゃなくて楽しかったですw
むしろ影の主役は藤島さんなんじゃないかとすら思えてしまいますね。

そんなわけで本日速攻読破!「ココロコネクト ユメランダム」感想でした♪


○オマケ○
以下ネタバレ更に濃くなるので反転。
もう少しだけ語りたいことをやりたい放題語りますw




以下反転(白文字)にて重要なネタバレも含む感想


amazonのレビューにあった「周囲の皆が、八重樫太一を変えていく物語」
というコメントはまさに本書の性質を表現している一言だと思います。
ただ、自分の考えでは、「再び」ではなく
「本当の意味で」八重樫太一が主人公になる物語だと思いますけどね。

この巻が第1巻「ヒトランダム」と対称的な構造になっているのが印象的でした。
「ヒトランダム」では<ふうせんかずら>による最初の現象が始まり、
太一が他の4人(青木を含んでいいかは微妙だけど)がそれぞれ胸に抱えていたものを解き放つきっかけとなっているのに対し、
本巻「ユメランダム」では<ふうせんかずら>による最後の現象が始まる。
その現象とそれに対する他の4人の行動によって、
太一自身がこれまでを省みて「自分」の在り方と向き合うという構図。
現象の最初と最後でこれまでの「太一が行動→他の4人に影響」だった図が
これまでの行動の矢印が逆になったとでも言いましょうか。

太一と同じ、あるいは近い立場に立ち能力を積極的に使っていく唯、
使うべきでないとして全力で潰しにかかる恋人の稲葉、
あくまで「自分がどうか」という視点を持ちつつも全体とのバランスをきちんと見ていた青木、
そして誰よりも中立を徹底的に維持し、1年前と正反対の、
自分と向き合うきっかけを作る救いの言葉をかける立場となった伊織。

4人がそれぞれに違うアプローチで太一に影響を与え、悩みを乗り越える。
これまでとは正反対の、だけどしっくりくる物語。ザ・青春って感じで本当に素敵です。

それから忘れちゃならんのが藤島さんが現象に気づき始める描写。
最近ではすっかりネタキャラに成り下がっていた彼女に、
ここにきてある意味最大の見せ場を与えるあたりさすがです。
つくづくこの作者は藤島さんの扱いが上手だと感心しきりです。
時にネタキャラとして笑いを呼び、時には物語の核心にすら迫る。
こういう存在をまさに「名脇役」と呼ぶのでしょう。



ただまぁ、今回はもう「伊織さんかっけえええええええええええええええ」としかいえません。
ニセランダムで完璧に復活した以降の伊織はマジで一段上にいったよね。
なんだかんだで1番最初に壁を乗り越えた存在なんだと思う。
上記の核心を言い当てた藤島さんへの警戒と配慮とか、今回は伊織しか出来てなかったしね。
天下の稲葉んも太一との対立に必死でそこまで気が回ってなかったっぽいし。


そしてそして、青木と唯がついに・・・ これはもう、青木良かった!とだけですね。
いつかこういう結果になるのは1巻の時点から分かっていたけども、
それも1巻からずっとブレずに唯一筋だったが故。
だからこそ「カコランダム」の青木のエピソードが映えるんだよなぁ、
と今更ながらに思った次第です。(現象がきっかけで、この時だけ青木がブレるため)

この唯の告白の数ページは、1番グっときたシーンの1つでした。
そして上記305ページの挿絵の破壊力といったらもうね。
太一とデレばんみたく露骨にくっつかない適度な距離感とか、
唯の告白の真剣さや誠実さ、そして青木の包容力の大きさを象徴するとびきりの笑顔が、
この挿絵には見事なまでに凝縮されてると思うのですよ。
マジでこの1枚はシリーズ最高傑作と言ってもいいレベルの絵だと思うね!




以上、ネタバレ気にしないトーク終了。
思ったことをそのままつらつら並べただけなので、
黒文字で書いてあること以上に乱筆ですがご容赦を。

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