この夏アニメ化で話題!?のココロコネクト最新刊を読みました!
発売日にすぐ買ってまずは一通り一気に読んで、
2回目は時間をかけてじっくり読んでみました。

今回は第2弾となる短編集。
過去にWEBで掲載された2編に書き下ろしも2編の計4編。
創部当時から最終章への繋ぎまで、
本編の合間の出来事を満遍なく描いています♪
今回は久々に各話の感想を軽く書いてみます。

原作を追ってる人からしたら大した話はしてないですが、
原作未読、特にアニメから入る人にとってはネタバレ満載です。一応ご注意を。





1.ファーストエンカウンター
文研部結成当初の5人の様子を描いた創部エピソード。
現在公開されているお話の中では作中の時間軸で1番古い話になります。
WEB掲載時にはまだこのシリーズを読んでいなかったので未読でした。

たまたま寄せ集められた5人がお互いに抱いた第一印象、
そこから文化研究部が正式に発足するまでの過程を5人それぞれの視点から描いたお話。
いわば五角形<ペンタゴン>の原点を描いた短編のように感じられました。
5人がそれぞれにその人となりや抱えているものを、おぼろげながらも感じ取っており、
また、自身が抱えているものの片鱗を見せつつ思い悩む姿が非常に良かったです。

それとココロコネクトという作品の最大の魅力が、
「常に等身大の姿を描いていること」だと思うのはこれまで再三述べてきた通り。
出された結論が「なんとなく」を大事にするというのも非常にこの作品らしい。
この「なんとなく」という感情はものごとの選択において、
特に学生時代には意外と大きな基準だと思うんだよね。
こと友達づくりにおいてはこれが全てと言っても決して過言ではないと思うんだ。

そんなこの作品らしさを随所に感じさせるいい感じにまとまった創部ヒストリーでした。
まぁWEB上で掲載された当時で既にカコランダムまでは発売されていたのだし、
この辺りの描写は完全に後付けだろうとは思うけどね。


2.ふたりぼっちの友情
稲葉んと伊織の友情を深めるきっかけとなった1年前のとある事件を語るお話。
作中の時間軸的には、部室での会話シーンがニセランダムの少し前、
回想シーンがヒトランダムより前(ファーストエンカウンターの少し後)くらいかな。
こちらはWEB掲載時に読んでいたので、
本書に収録されている作品としては唯一既読だったお話。

行動は違えど近しい本質を持つ2人が、お互いを似たもの同士だと感じつつ、
少しずつ距離を縮めていく様子が微笑ましいほんわかエピソード。
伊織に降りかかったストーカー疑惑をきっかけに、
2人にとっての「友達」とはどういったものなのかを双方の視点で描く。

こういうエピソードを読んだ後に改めて本編を読むと、
伊織と稲葉んのやり取りがまた違った見え方をしてきます。
キズランダムやミチランダムのぶつかり合いなんかが特にね。
あと本筋とは全く関係ないけど「ぴーちくぱーちく」のくだりが爆笑でした。


3.デート×デート×デート
ここから先は書き下ろし、時間軸的にも最新のお話になっていきます。
話の立ち位置としては前巻ユメランダムの後日談といったところ。

太一と稲葉ん、青木と唯、中山さんと石川君。
そんなカップル3組によるトリプルデートの顛末を描いたエピソード。
これまで名前付きモブキャラ程度の扱いだった中山さんと栗原さんが、
この短編内では準主役くらいにまで引き上げられてます。
とりあえず予想以上に栗原さんがいいキャラになってましたw
ホント、特に女子のキャラ立ては相変わらず上手いなぁ。

太一と稲葉んの熟年夫婦っぷりと他2組のたどたどしさのギャップ、
主催者ペアの哀愁漂う様子やツッコミどころ満載すぎるレストラン決め、
それから唯のぴーちくぱーちくっぷり(違)などなど、
シリアス要素抜きの日常パートとしては見所多すぎです。
もうちょっとページ数割いてでもじっくり描いて欲しかった部分も多い。
とは言えあれ以上やったらだれるか、と思わなくもないしあれでちょうどいいのかな。

一応メインは前巻でついにカップルとなった唯と青木の初デートだろうし、
もちろんそれはそれで素晴らしいものがあったと思う。
でもこのお話の醍醐味はやっぱり、作中の伊織じゃないけど、
「デレばんきたああああ!」 と叫ぶことでしょう(笑)


4.この我が道を行く疾走
そして最後の最後に藤島さんのターン!
位置付けは藤島さんを主役とした成長物語兼最終章への序章といったところか。
この本の中ではほとんど出番がなかった藤島さんと文研部の1年生2人が同盟を組み、
文研部2年の5人組を見て「リア充」について考えつつ、
藤島さんが人知れず抱えている悩みを乗り越えていく様子を描いたお話。

一時は恋愛神とまで呼ばれた愛の伝導師としてある種傍若無人に振舞う藤島さんの、
内に秘められたこれまた等身大な悩みが上手く本筋と絡み合ってるように感じました。
これまでも進級時のギャップで笑わせてもらったり、
部外者ながらにして核心を突くなど地味に重要な位置づけを担っていた藤島さん。
そんな彼女をこうして掘り下げるのは単純に短編として興味深いのと同時に、
最終章へ向けて何かしら意味があるのではないかと思えてきます。

ただ、「リア充」がネットスラングであるイメージが自分の中では強かったせいか、
作中でリア充リア充連呼してることに違和感を感じたのも正直なところ。
まぁ確かにあの5人はリア充と呼ぶにふさわしいのには異論はないけどさぁ。
それだけこの言葉が一般化したことの表れなんだと思うことにします。

最終章への導入部分は現時点だとかなり無理やりな感じがしましたが、
その無理やりさが「次は何が起こるのか」と期待を膨らませたのも事実。
本筋への影響は抑えつつも次への含みを持たせた終わらせ方は良かったですね。


●構成について
1つ目が5人の第一印象を描いた「ファーストエンカウンター」
2つ目が伊織と稲葉んの友情を描いた「ふたりぼっちの友情」
3つ目がトリプルデートの様子を描いた「デート×デート×デート」
そしてこの話の中で(主に唯のセリフとして多用される)「ステップ」という単語。

WEB掲載分2つは偶然だとも思うけど、
書き下ろしを含めると「ステップタイム」というタイトルを
意識していたのは間違いなさそう。
1冊の本として雰囲気をまとめられているのが好印象です。
この3つで所謂「ポップ・ステップ・ジャンプ」
この流れを描きたかったのではないかと感じられました。

ただ、それだけに4話目の「この我が道を行く疾走」に
「4」の要素をほとんど見つけられなかったのが残念。
一応文研部1年生コンビと藤島さん、彼女に恋する渡瀬君の4人が中心、
と考えるられなくもないけど、これはさすがにこじつけが過ぎるだろうし。
何かしら「4」のメッセージが隠されているような気がしています。




そんな感じに今回もバッチリ楽しませていただきました☆
主要キャラの出番がそれぞれのお話に上手く振り分けられており、
バランスの良い短編集に仕上がっていたと思います。



最後にちょっとだけ明日より放送開始のアニメについて触れて終わりたいと思います。
アニメ化する前から原作を追ってた作品のアニメ化は割と久しぶり。
そんな事情もありかなり楽しみにしている作品です。
なにやらニコニコでも配信されるらしいですが、
この作品はちゃんとテレビで観たいなぁと思っています。
うちは何故か地デジ化してからTVKが写らなくなっちゃったので、
BS11に頼るしかないかなぁ。1週遅れになっちゃうけど仕方ないよね。
最速地域のTVKとMXでは明日から放送開始なのに・・・・・

それはそうと、とにかくどこまでやるのかが気になるところ。
アニメ公式サイトのキャラクター紹介に、
文庫ではイラストの無かった伊織母とか唯の妹がイラスト付きで出ているし、
カコランダムまではほぼ確定と見てよさそうかな。
ラノベ原作のアニメは1冊分を3話くらいでやることが多いし、
ミチランダムまでやって完結ってのが1クールで考えると自然そう。
作中の1学年が終わってちょうどいい区切りにもなるしね。

そうなると本格的なデレばんは観れなさそうだし、
藤島さんがただの恋愛神のままで終わりそうなのが残念ですが。

それからアニメ化の宿命だろうけど色んな所が荒れそう。(と言うより既に荒れてるかw)
この作品の場合イラストレーターの人と伊織の中の人的な意味で、
やたらとけいおんけいおん京アニ京アニ騒ぐ輩が多いからなぁ。
自分も日記上でその話題を出したことがないわけじゃないけど、
あくまでネタはネタとして、というのはわきまえてるつもり。
だけど、その辺の見境がない人も意外と多いみたいだからなぁ。

何にせよ、前にも書いたようにキャストや製作陣の力量が問われる作品だと思います。
果たしてどのような出来になっているか、不安はありますが楽しみです。

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