ココロコネクト アスランダム 上
2012年10月7日 読書 コメント (4)
アニメになって色々あったココロコネクト。
その原作最新刊、最終章となる本作。
発売日に買ってはいたのですが、つい先日読みました。
かなり寝不足の状態で読んだからでもありますが、
普段の新刊を読むときの倍近くも時間がかかってしまいました。
というのも今回、いつになく重い。
1つ前が短編集で割と軽めのお話が中心だったこともあり、
余計に今回の重さが際立っているように感じます。
さすがは最終章と言ったところです。
これまでの「現象を通して思春期の悩みを乗り越える」ストーリーから一変、
これまでとはかなり毛色の違った作品に仕上がっています。
それでいてこれまでの流れはきちんと踏まえられており、
全てをひっくるめた最終章と言えるのではないでしょうか。
色々ありすぎて1回読んだだけでは頭がこんがらがること必至。
ですが最後まで読み終わってからもう一度読み返してみると、
色々なことが分かってくるように出来ているのがお見事です。
例えば1章のラストで異変をきたした雪菜が、
実は「 人格入れ替わり」の始まりだったなどなど。
ただ、全体が重々しいだけに軽めのノリな第1章が浮いたように感じたのは否めません。
今回の異変への布石として必要なお話だったのは分かるし、
少しでもデレばん成分を入れておきたかったのだと思いますがw
それにしてもちょっと冗長だったかなとは思いますが、
下巻ではますますそれどころじゃないだろうし仕方ないでしょう。
あーもう。上下巻作品では毎回お約束ではあるのですが、
下巻の展開が気になって仕方ありません。
本巻で1つ印象的だったのは、物語は結末に向かって収束していこうとしているのに、
それとは逆に今まで無かった方向へと話が拡散していることです。
これまでとは逆に「現象の外側」を体験することになったり、
ここまであまり描かれていなかった文研部5人とその家族とのやり取りを多く描いたり。
それによりこれまで「文研部の絆」で解決してきたものを、
上手く「家族の絆」へと置き換えることができたように感じます。
これが上で述べた「毛色が違う」と感じた理由の1つですね。
ただ、毛色が違えどそれが違和感にはなっていないのがさすが。
前巻のステップタイムやその前のユメランダムにおいて、
これまでただのクラスメイトだった面々にも軽くスポットを当てたのも、
今にして思えば今回への布石だったのでしょう。
身近な人間にかつての現象を起こしたり、
現象の規模を拡大させることへの違和感をなくすには、
やはり事前の掘り下げが重要なのでしょう。
今回のラストにおける太一の言動なんかも、
ユメランダムエピローグの「地球を救いたい」と繋がっていたのだと思います。
また、最終章らしくようやくふうせんかずらの目的や
これまでの「面白い」の理由なんかも意外とあっさり出てきました。
ずっと謎のままだった部分も少しずつ明かされてきましたね。
もっとも、上巻ではまだ明らかになっていない部分もあるのでしょうが。
そして最終巻となるだろう下巻において気になるのは、
やはり「孤立空間 」の中がどうなっているのかということ。
文研部が到着した時点で既に地獄絵図となっているとしか思えないのですが・・・
数百人単位でこれまでの現象がアトランダムに発生し、しかも逃げることも許されない。
それだけでも場合によっちゃ数時間で発狂レベルなんじゃないかと。
下手しなくても死人が出るような環境としか思えないのですが、
果たしてそこはどういう世界になっているのか。
そしてそんな(かも知れない)環境下に取り残された面々がどう動くのか。
今回突如として現れた新キャラ生徒会長をはじめ、
いち早く現象下に置かれた雪菜さんら陸上部の面々、
そして非当事者でありながら現象の存在に唯一たどり着いた愛の伝道師藤島さん。
文研部の面々以外にもこの辺の人たちには下巻でも何らかの見せ場がありそう。
そして何よりも気になるのは上巻の締めに描かれた1年生2人が太一の妹へと託したもの。
恐らく「記録抹消」が発動され、その後全てを取り戻すきっかけとなるのでしょうが、
それをどう活かしてくるかはやはり気になりますね。
随所に散りばめられた露骨すぎるとも取れる伏線の数々や、
これまでの現象を通じて得た5人の絆や本巻で描かれた家族の絆。
それらをどう調理して結末を迎えるのか、下巻が出るまで楽しみに待ちたいと思います。
次で終わりと思うと寂しくもありますが、やっぱり結末は気になるからね。
最後に、本当はこんなこといちいち書きたくないんだけど、
例のしょうもない事件のせいで大変だろうことが本巻のあとがきからも見て取れます。
アニメやゲームなどのメディアミックスについて、
ステップタイムやユメランダムのあとがきではあんなに大興奮で絶賛していたのに、
今回のあとがきではまったく触れられていないのは結局そういうことなのでしょう。
あんなしょうもない出来事もあったけど、企画は企画。アニメはアニメ。
もちろん原作は原作です。場合によっては切り離して考えてもいいと思うのです。
シリーズ自体が読む側の好みによって受け取り方の違いが大きい作品だとは思いますが、
今回のお話も自分にとっては間違いなく楽しいものでした。
とりあえず休日を丸1日潰して読みふけるくらいには。
少なくともここに1人、本作を肯定している人間がいることを主張させていただきます。
作者さんがきちんと納得のいく形でこの作品を完結し、それがきちんとした形で出版され、
そして何よりも正当に評価されることを、いちファンとしては願ってやみません。
できればなるべく早く!(笑)
その原作最新刊、最終章となる本作。
発売日に買ってはいたのですが、つい先日読みました。
かなり寝不足の状態で読んだからでもありますが、
普段の新刊を読むときの倍近くも時間がかかってしまいました。
というのも今回、いつになく重い。
1つ前が短編集で割と軽めのお話が中心だったこともあり、
余計に今回の重さが際立っているように感じます。
さすがは最終章と言ったところです。
これまでの「現象を通して思春期の悩みを乗り越える」ストーリーから一変、
これまでとはかなり毛色の違った作品に仕上がっています。
それでいてこれまでの流れはきちんと踏まえられており、
全てをひっくるめた最終章と言えるのではないでしょうか。
色々ありすぎて1回読んだだけでは頭がこんがらがること必至。
ですが最後まで読み終わってからもう一度読み返してみると、
色々なことが分かってくるように出来ているのがお見事です。
例えば1章のラストで異変をきたした雪菜が、
実は「 人格入れ替わり」の始まりだったなどなど。
ただ、全体が重々しいだけに軽めのノリな第1章が浮いたように感じたのは否めません。
今回の異変への布石として必要なお話だったのは分かるし、
少しでもデレばん成分を入れておきたかったのだと思いますがw
それにしてもちょっと冗長だったかなとは思いますが、
下巻ではますますそれどころじゃないだろうし仕方ないでしょう。
あーもう。上下巻作品では毎回お約束ではあるのですが、
下巻の展開が気になって仕方ありません。
↓ここから先ネタバレあり↓
本巻で1つ印象的だったのは、物語は結末に向かって収束していこうとしているのに、
それとは逆に今まで無かった方向へと話が拡散していることです。
これまでとは逆に「現象の外側」を体験することになったり、
ここまであまり描かれていなかった文研部5人とその家族とのやり取りを多く描いたり。
それによりこれまで「文研部の絆」で解決してきたものを、
上手く「家族の絆」へと置き換えることができたように感じます。
これが上で述べた「毛色が違う」と感じた理由の1つですね。
ただ、毛色が違えどそれが違和感にはなっていないのがさすが。
前巻のステップタイムやその前のユメランダムにおいて、
これまでただのクラスメイトだった面々にも軽くスポットを当てたのも、
今にして思えば今回への布石だったのでしょう。
身近な人間にかつての現象を起こしたり、
現象の規模を拡大させることへの違和感をなくすには、
やはり事前の掘り下げが重要なのでしょう。
今回のラストにおける太一の言動なんかも、
ユメランダムエピローグの「地球を救いたい」と繋がっていたのだと思います。
また、最終章らしくようやくふうせんかずらの目的や
これまでの「面白い」の理由なんかも意外とあっさり出てきました。
ずっと謎のままだった部分も少しずつ明かされてきましたね。
もっとも、上巻ではまだ明らかになっていない部分もあるのでしょうが。
そして最終巻となるだろう下巻において気になるのは、
やはり「孤立空間 」の中がどうなっているのかということ。
文研部が到着した時点で既に地獄絵図となっているとしか思えないのですが・・・
数百人単位でこれまでの現象がアトランダムに発生し、しかも逃げることも許されない。
それだけでも場合によっちゃ数時間で発狂レベルなんじゃないかと。
下手しなくても死人が出るような環境としか思えないのですが、
果たしてそこはどういう世界になっているのか。
そしてそんな(かも知れない)環境下に取り残された面々がどう動くのか。
今回突如として現れた新キャラ生徒会長をはじめ、
いち早く現象下に置かれた雪菜さんら陸上部の面々、
そして非当事者でありながら現象の存在に唯一たどり着いた愛の伝道師藤島さん。
文研部の面々以外にもこの辺の人たちには下巻でも何らかの見せ場がありそう。
そして何よりも気になるのは上巻の締めに描かれた1年生2人が太一の妹へと託したもの。
恐らく「記録抹消」が発動され、その後全てを取り戻すきっかけとなるのでしょうが、
それをどう活かしてくるかはやはり気になりますね。
随所に散りばめられた露骨すぎるとも取れる伏線の数々や、
これまでの現象を通じて得た5人の絆や本巻で描かれた家族の絆。
それらをどう調理して結末を迎えるのか、下巻が出るまで楽しみに待ちたいと思います。
次で終わりと思うと寂しくもありますが、やっぱり結末は気になるからね。
最後に、本当はこんなこといちいち書きたくないんだけど、
例のしょうもない事件のせいで大変だろうことが本巻のあとがきからも見て取れます。
アニメやゲームなどのメディアミックスについて、
ステップタイムやユメランダムのあとがきではあんなに大興奮で絶賛していたのに、
今回のあとがきではまったく触れられていないのは結局そういうことなのでしょう。
あんなしょうもない出来事もあったけど、企画は企画。アニメはアニメ。
もちろん原作は原作です。場合によっては切り離して考えてもいいと思うのです。
シリーズ自体が読む側の好みによって受け取り方の違いが大きい作品だとは思いますが、
今回のお話も自分にとっては間違いなく楽しいものでした。
とりあえず休日を丸1日潰して読みふけるくらいには。
少なくともここに1人、本作を肯定している人間がいることを主張させていただきます。
作者さんがきちんと納得のいく形でこの作品を完結し、それがきちんとした形で出版され、
そして何よりも正当に評価されることを、いちファンとしては願ってやみません。
できればなるべく早く!(笑)
コメント
ドッキリ企画なんてことがあったので何人かの人がこの作品から離れてしまった
けど原作は原作として楽しんでもらいたいです
一応原作の売り上げ自体はアニメの効果で多少なりとも増えてるみたいですが、
離れていった話しもそこそこ聞きますからね。
元からのファンとしてはやっぱり複雑ですよね。
それはそうとデレばん可愛いですよね///
私自身太一たちと同じような年代なので、わかることも多いうえ、恥ずかしながらもまだ私には出せていない答えを出していたりするので、正直影響を受けたりもしました。でもそこから影響を受けてる事を自覚して、同じように自分自身について問い迫っていったりできて、更に最終的に前向きになれるような作品なので、
まだ自分が確立していなくとも、考える機会を与え、それを応援してくれるような、今の10代に不足しがちなことを補わせてくれる作品だなぁと思いました。
ココロコネクトは不朽の名作です(`・ω・´)
コメントなのにつらつら意見文になってしまってすみません…。
私と同じようにココロコを愛してくださっている方に出会えて嬉しかったので…。
しばらく放ったらかしていたため、お返事遅くなりました。。。
自分はラノベ読みとしては割と年食ってる方の世代ではありますが、
高校生当時のことを思い返すと、本作で描かれている悩みと重なる部分が本当に多いのです。
きっと、作中で語られるものに近しい経験は誰もが通る道ではないでしょうか。
それらは周りから見たら些細なことでも本人からしたらそれが全てと見えてしまう、
そういった部分を本当に上手く描いた作品だと思いますね。
作中のキャラクター達と同世代の頃に読んでいたらまた違った印象があると思いますが、
自分にとっては青春時代の淡い経験を思い起こす素敵なシリーズです。
正直に言ってしまうと、最初は完全に表紙買いだったのですが・・・(笑)
それはともかく下巻の発売、3月末に決まりましたね!今からとても楽しみです♪